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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第九幕その八

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「本当にね」
「それでいいと思うよ」
「ここで閃くのが先生だけれど」
「いつも知識や教養からなのよね」
 チープサイドの家族はこう言いました。
「先生の学問からね」
「閃きが出るね」
「今回もそうだし」
 それでとです、トートーは言いました。
「学問って大事だね」
「閃くにも何もなしじゃないね」
 ガブガブはしみじみとした口調で言いました。
「何かがあってだね」
「今回もそうだし」
 ポリネシアは笑顔で応えました。
「学問はすべきだね」
「そうだね、白薔薇が男性で赤薔薇が女性というのも」
 その考えもとです、先生は応えました。
「父の日に女性の象徴という知識があって」
「ベルサイユの薔薇でもだよね」
「あの漫画は冗談抜きに名作だし」
「面白いだけじゃなくて物凄く学べるし」
「そこからもだよね」
「うん、本当に僕はね」
 先生自身も言うのでした。
「学問はね」
「欠かせないよね」
「閃きの元にもなる」
「そうしたものだから」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「これからも学んでいくよ、それにね」
「それに?」
「それにっていうと」
「白薔薇と赤薔薇が一緒にあるのは」
 このことはといいますと。
「夫婦仲良くでもあるからね」
「そうした意味もあるんだね」
「白薔薇と赤薔薇が一緒にあるのは」
「ご主人と奥さんだけじゃなくて」
「二つ一緒にあったら」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「また薔薇戦争のお話になるけれどね」
「白薔薇と赤薔薇の」
「あの戦争だね」
「イングランドの王位を争った」
「ヨーク家とランカスター家の」
「この戦争はチューダー家が残って」 
 そうなってというのです。
「チューダー朝を立ち上げたね」
「そうそう、結局ね」
「ヨーク家でもランカスター家でもなく」
「ランカスター家の系列のチューダー家が継いで」
「ヘンリー七世となったね」
「シェークスピアのリチャード三世の結末でもね」
 その時もというのです。
「最後ヘンリー七世が即位してね」
「そうそう、終わったね」
「リチャード三世が戦死して」
「暴君が倒れて」
「そうなったという結末になっているわ」
「そのヘンリー七世だけれど」 
 この人のお話をするのでした。
「赤薔薇と白薔薇を一緒にしていたね」
「そうだったね」
「ヨーク家の系列の人と結婚して」
「二つの家が一緒になった」
「その象徴としてね」
「婚姻政策だね」
 それだというのです。
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