八十七 対話
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、仙術チャクラを練っておいたのだ。
おかげですぐに仙術モードに入れたナルの目尻が紅に染まる。
仙術チャクラを身に纏うことで己の周りにある自然エネルギーを利用する為、危険感知も攻撃範囲も並みのそれではない【蛙組み手】。
術者の身体の一部となる自然エネルギーで、ナルの影を縛る足場を崩す。即ち、シカクとナル、双方が佇む木の枝を【蛙組み手】で折ったのだ。
急に足場である木の枝が折れて、バランスを崩したシカクの隙をつき、ナルは跳躍した。
迫るナルの接近を、チョウザが阻止せんと構える。
身体の一部を巨大化する【部分倍化の術】で、巨大化させた己の腕を、ナルに振り上げた。
が、その腕はナルに直撃する寸前、動きを止める。
否、チョウザ自身が殴るのをやめたのだ。
不審に思いつつも警戒し、シカク達から距離を取ったナルにいのいちが話しかける。
「おまえがペインを倒してくれたことには感謝している」
木ノ葉の里を襲撃したペイン六道。
木ノ葉の忍び達があれだけ苦戦を強いられた相手に、たったひとりで挑み、最後のひとりであるペイン天道と共に、里から離れた。
そして現在、この場にナルがひとりでいるということは最後のペインすら倒したとも同然。
けれどその里の英雄である彼女は、今度はペイン本体のもとへ、ひとりで向かうという。
「しかし今更話し合いでどうこう済む問題ではないぞ。どうするつもりだ」
「だったら!」
感情を押し殺し、なるべく冷静を装って、いのいちは問う。
普段冷静であるシカクがこのざまなので、逆に頭が冷えたいのいちに対し、ナルは声を荒げた。
「だったらペイン本体もその部下も敵の里も全て潰しちまえば、それで丸く治まんのか!?」
「話し合って、それでどうする?」
咄嗟にシカクを庇う為に【部分倍化の術】を発動させたが、殴るつもりは毛頭なく。
巨大化した腕を元の大きさに戻しながら、今度はチョウザが口を開いた。
「木ノ葉に仇なす敵をこのまま野放しにする気か」
「そうは言ってない!」
頭を振って、ナルは否定する。
九尾化したせいで弾け飛んだ髪留めがない為に、長い金髪がナルの頭と合わせて、激しく揺れ動いた。
「だけど、オレは確かめたい。直接会って、話をすることで何かわかるかもしれない」
「なにを勝手なことを」
眉を顰めたいのいちは眉間を指で押さえ、溜息をつく。
脳裏に過るのは、壊滅させられた己の故郷。あれだけ平和だった里を一瞬にして更地にした元凶。
だからペイン六道は自分達木ノ葉にとって紛れもなく――敵だ。
「木ノ葉に仇なす敵を許すわけにはいかない」
いのいちの言い分を聞いて、ナルはうつむく。
固く握られた拳がブルブルと更に強く握りしめられ
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