第二章
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「飲み食いも水浴びもしなかったが」
「親しくしたからですか」
「そのことがだ」
どうにもというのだった。
「問題だ、そなたは冥界の者になってしまったぞ」
「死者と同じですか」
「死んではおらぬしこうして天界にも来られるが」
それでもというのだ。
「住む場所はな」
「冥界ですか」
「そうなる」
こう言うのだった。
「これからはな」
「そうなのですね」
「そしてだ」
エアはさらに言った。
「若しそなたが嫌と言ってもだ」
「あちらからですか」
「行って来る、そなたあの女神の性格を知っているのか」
「エレキシュガル女神の」
「あの女神は大層気が強くだ」
そうであってというのだ。
「しかも愛情が深い」
「そうであるので」
「それでだ」
そうした性格だからだというのだ。
「そなたの誘いを受けたならな」
「それならですか」
「かなりだ」
こう言っていいまでにというのだ。
「惚れておる、だからな」
「私がここにいたくとも」
「冥界に入る様にな」
「言ってきますか」
「言うどころではない」
エレキシュガルはというのだ。
「自ら攻め込んでだ」
「私を連れ戻すのですね」
「あの者から見ればそうなる」
「連れ戻しますか」
「そうまでしてだ」
そのうえでというのだ。
「そなたを己がものにするぞ」
「そうですか、そこまで想われているのですか」
父神の話を聞いてだった、ネルガルは笑った。そして言うのだった。
「ではです」
「それならか」
「望むところです」
「冥界に行くのか」
「そうしましょう」
「それでいいのだな」
「天界を行き来出来るのですね」
「死んだ訳ではないからな」
エアもそれは確かにと頷いた。
「左様だ」
「それならです」
「よいのだな」
「はい」
一言で答えた。
「それなら」
「そうか、まさかそなた」
「本気です」
父神にまた一言で答えた。
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