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三輪の酒
第一章

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                三輪の酒
 大国主は少彦命の知恵を借りて何かとことを進めていた、この小さな神を何かと頼りにしていた。だが。
 小彦命が常世に去ってだ、大国主は大いに嘆いた。
「わしだけでどうして国を造ろうか」
「嘆くことはない」
 大国主に海から言う神がいた、その神は蛇であった。
「そなたは」
「大物主という」
 神は自ら名乗った。
「私を祭ればいいのだ」
「国造りが出来るのか」
「私の加護でな」
「そうなのか」
「私を大和の青垣の東の山の上に祭れば」
 その様にすればというのだ。
「必ずな」
「国造りは上手くいくか」
「そうだ、祭るか」
「神がそう言うならな」
 それならとだ、大国主は頷いた。
「そうしよう」
「それではな」
 こうしてだった。
 大物主は大和の東の山に祭られた、するとその真上から日が上がりその光の恵みが作物を育ててだった。
 国は上手く造られた、大国主はこのことに大いに喜んだ。
 この話をだった、崇神帝は今思い出されていた。そのうえで廷臣達に話されていた。
「この話を思い出した」
「その夢を見られて」
「大物主が夢に出られてですね」
「帝に自分を祭る様に言われ」
「そして祭りましたが」
「国を襲う病は収まっていません」
「それで、ですね」
「この話を思い出した、確かにお祭りした」
 大物主をとだ、帝は言われた。
「だがな」
「それでもですね」
「まだ収まっていませんね」
「国を襲う病は」
「今も」
「まだ足りないというのか」 
 帝は大物主が祭られている山の方をご覧になられて言われた、そのうえで政に励まれて夜はお休みになられた。
 するとだ、夢に大物主が出て帝に言った。
「もう一つあるのだ」
「そうなのですか」
「私の子を探してだ」 
 そうしてというのだ。
「意富多多泥古をな、そしてだ」
「その者にですね」
「私を祭らせるとな」
 その様にすればというのだ。
「今度こそな」
「病は収まりますか」
「そうなる」
「それでは」  
 帝は神の言葉に頷かれた、そしてだった。
 目を覚まされるとすぐに周りに言われた。
「意富多多泥古という者を探すのだ」
「その者をですか」
「これより探すのですか」
「そうするのですか」
「大物主のお子だ」
 その者がどういった者かも話された。
「それでその者に神を祭ってもらうのだ」
「それはどうしてでしょうか」
「夢で言われた」
 廷臣の一人に言われた。
「神にな、そうすれば病はな」
「収まりますか」
「そうなるとな」
 その様にというのだ。
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