第二章
[8]前話
「絶対にね」
「絶対ですか」
「そう、絶対にね」
まさにというのだ。
「だからだよ」
「あン秦してですか」
「私の手術を受けてくれたらいいよ」
「そうですか」
「医学は進歩し続けてね」
そうであってというのだ。
「私がいるんだ、医師自体の技術もだよ」
「進歩しているんですね」
「ずっとね」
「だからですか」
「安心するんだ、君は元に戻る」
明良に微笑んでこうも告げた。
「だから手術を受けてくれるね」
「お願いします」
明良は医師の強い言葉を受けて彼を信じられる様になった、専門家の彼がそう言うのならであった。
そうして手術を受けるとだった。
「明良ちゃん手術受けてなの」
「そうなの、この通りね」
火事からずっと休んでいた学校に笑顔で戻って来た時に仲がよかったその娘と再会して笑顔で話した。
「戻れたの」
「そうなのね」
「髪の毛もね」
自分の黒髪を触りつつ話した。
「この通りね」
「あるのね」
「頭も全部火傷して」
そうしてというのだ。
「一本もなくなったけれど」
「それがなのね」
「手術で毛根も復活してね」
「また生えたのね」
「そうなの、まだ生えてきて少しで」
「短いわね」
「これから伸びるわ」
そうなるというのだ。
「少しずつね」
「そうなのね」
「そう、けれど手術でね」
それを受けてというのだ。
「この通りね」
「元に戻れたのね」
「そのことは事実だから」
それでというのだ。
「嬉しいわ」
「よかったわね」
「十年前は無理だったそうだけれど」
当時の医学の技術ではというのだ。
「今はね。お医者さんの腕も上がってるそうだし」
「そのこともあって」
「凄いお医者さんだったしゾンビみたいな火傷になっても」
そこまで酷くともというのだ。
「治ったの、駄目と思ってもね」
「治ったのね」
「そうなの、だから駄目と思ってもね」
「諦めないことね」
「それが大事だってわかったわ」
学校に戻って笑顔で話した、そしてだった。
明良は勉学に戻った、ずっと休んでいた遅れを取り戻すのは大変だった。だが元の姿に戻れた彼女は心から幸せを感じていた。
ゾンビみたいだったのが 完
2024・8・24
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