第一章
[2]次話
犬も身体を動かすと痩せる
国咲家の愛犬であるトイプードルのふわりはいつも散歩をしたり遊んだりして身体を動かしている、だからだ。
「ふわりって身体引き締まってるな」
「ええ、とてもね」
一家の母であり妻である百合子は息子でラーメン屋のチェーン店で働いている洋介に対して答えた。
「いつも身体動かしてるからね」
「そうだよな」
「よく食べてよく寝てね」
「よく動いてな」
「身体引き締まってるのよ」
「だったらな」
洋介は母の言葉を聞いて言った。
「ふわりってアスリートみたいなものか」
「人で言うと？」
「身体引き締まってるからな」
だからだというのだ。
「もうな」
「アスリートなのね」
「脂肪少ないよな」
「ええ、身体触るとね」
「確かにな」
「ワンッ」
洋介は丁度ケージから出て自分のおもちゃで遊んでいるふわりに触れた、触られて嬉しそうな彼女を撫でまわしつつ言った。
「脂肪少ないな」
「筋肉しっかりしてるわね」
「ああ」
実際にというのだ。
「ふわりはな」
「そう、本当にね」
実際にというのだ。
「ふわりは身体引き締まってるわよ」
「筋肉質だな」
「そうよ」
「アスリートみたいに」
「そうなのよ、ただね」
母は息子にこうも言った。
「ふわりって毎日お散歩して遊んだりしてね」
「ドッグレース場とか犬のプールにも連れて行くしな」
「それで身体動かしてるけれど」
いつもというのだ。
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