第3部
サマンオサ
もう一人の勇者
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、僕はあのとき絶対にそこに鏡なんかないと思ってたよ。でも、ミオの勘は正しかった。それだけじゃない、ミオがいなければ、鏡を守る魔物も倒せなかったし、鏡も手に入ることは出来なかったよ」
なんだかルークにそこまで言ってもらえると、こっちまで照れてしまう。目を合わせると、お互い口許を緩ませた。
「まー何はともあれ、見つかってよかったよ☆ ありがとう、二人とも♪」
シーラにお礼を言われ、達成感と高揚感に浸っていると、
「ふん。俺の仲間なら、そのくらい出来て当然だろ」
なんてユウリに言われたものだから、せっかく積み上げてきた自信を崩されたような気分になってしまった。
でも、出来ると信じてくれてただけでも嬉しい。以前の彼なら、私に期待なんかしなかっただろうから。
「それより早く王様のところに行こうぜ。これが本当にラーの鏡かどうか確かめねえと」
話を戻したナギが、私が持っているラーの鏡をパッと奪い取り、私たちが来た道とは別の道の方へ走っていってしまった。
後を追うように、シーラとユウリも牢屋から出てきた。それを見て、私はふと気になったことを尋ねる。
「そもそもなんで王家の宝があんな洞窟の中にあったの? しかも湖の底に沈んでたし……」
おまけに人の言葉を話す魔物までいた。宝を守る番人のような存在だったが、なぜ洞窟を管理するサマンオサの王族は、あんな魔物を鏡の番人にしたのだろうか?
「王の話では、もともとあの鏡はこの城に保管されていたそうだ。だが、偽物が自身の正体を見破られないよう、配下の魔物に頼んでわざと鏡を隠したらしい」
「あぁ、そう言うことだったんだ……って、魔物?」
「聞いてなかったのか? 偽物は、国王に化けた魔物だ」
『ええっっ!?』
予想だにしなかった発言に、私とルークは揃って驚倒した。
まさか王様が魔物だったなんて、そんなことありえるのだろうか?
「あ、でもポルトガに行くとき、人間に化けた魔物がいるって話あったよね。もしかして関係あるのかな?」
「いや、それはないだろ。国王が偽物と入れ替わったのは今から10年以上前らしいからな」
そう言えばジパングでも、ヒミコ様に化けた魔物が長い間国を牛耳っていたのを思い出した。そう考えると色んな場所に、人間に化けた魔物がいるということだ。それに気づいた途端、私の背筋が寒くなった。
すると、何かに気づいたのかルークがユウリに詰め寄った。
「ちょっと待って、まさか本物の王様は……!?」
「本物の国王はまだ生きている。と言ってもいつ体調が急変するかわからない状態だけどな」
「そうなのか……。それならよかった」
ほっと胸をなでおろすルークに、ユウリは訝しげな顔を向ける。
「そもそもお前はいつまでここにいるつもりなんだ? 部外者だろ」
『部外者』という言葉を強
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