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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第七幕その二

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「田舎が悪いのではないですが」
「あの作品ではよく描かれていませんね」
「ウィーンが舞台ですから」
「今もオーストリアの首都の」
「当時はオーストリア帝国の帝都で」
 そうであってというのです。
「欧州随一の大都市でしたね」
「まさに都会ですね」
「当時から音楽の都であって」 
 そう呼ばれていてというのです。
「洗練されて上品で繁栄した」
「そうした街でしたね」
「マリア=テレジアの時代でして」
「オーストリアの偉大な女帝ですね」
「そうでした、その対比として」
「それで、ですね」
「花婿役のオックス男爵は粗野で下品で教養もなく」  
 そうであってというのです。
「田舎者と描かれ逆にです」
「使者となるオクタヴィアン伯爵が、ですね」
「薔薇の騎士となっていますが」
 その使者にというのです。
「ですが」
「それでもですね」
「花嫁のゾフィーと結ばれます」
「お話のあらずじはそうですね」
「そうしたお話なので」
「銀の薔薇は、ですか」
「この場合は贈りものとして思いつきましたが」
 先生はです。
「ですが」
「花婿の方が贈るにはですね」
「その花婿がいい役ではなく」
「使者の人が花嫁と結ばれるので」
「どうかと思いまして」
「提案されないですか」
「銀の薔薇は。奇麗ですが」
 そのことは事実であるがというのです。
「どうしても」
「では別のものがいいとですね」
「僕は考えています、ですが何がいいか」
 結婚のプレゼントはというのです。
「僕はまだです」
「アイディアが出ませんか」
「少し考えさせて下さい」 
 こう日笠さんに答えました、そうしてです。
 今は本当に考えることにしました、するとです。
 日笠さんがお仕事に戻るとすぐにです、先生に動物の皆が言ってきました。
「何かね」
「難しいお話になったね」
「薔薇を贈るといっても」
「どうもね」
 先生も今の論文の為の本を読みつつ応えます。
「何がいいか思い浮かばないよ」
「先生って色々相談受けて」
 そしてと言うガブガブでした。
「その中には恋愛もあるのよね」
「昔からよく恋愛相談も受けるね」
 チーチーも言いました。
「先生って」
「恋愛に縁がないと言っても」
 それでもと言うトートーでした。
「何かとだよね」
「それでいつも的確なアドバイスしているのはね」
 ダブダブはその結果を指摘しました。
「凄いね」
「先生は恋愛の知識と教養があるから」
 そえれでと言ったのはホワイティです。
「答えられているね」
「知識や教養があれば」
「経験がなくても答えられるわね」
 チープサイドの家族は先生を見つつ言いました。
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