第二章
[8]前話
「柔道勧めましょう」
「格闘技好きだしな」
「やるのも見るのもね」
「だったらな」
夫もそれならと頷いた、そうしてだった。
二人で七菜に柔道を勧めた、空手よりも向いているのではと言われ彼女自身伸び悩みも感じていたのでだった。
両親の言葉に頷いてはじめてみると。
「道場でも評判らしいわ」
「上達してるか」
「どんどんね、身体が柔らかくて」
明星は家で和毅に話した。
「練習熱心だから」
「元々格闘技好きだしな」
「はじめたばかりでもね」
「よくなっているな」
「ええ、やっぱり好きでもね」
「向き不向きがあるな」
「七菜は格闘技自体が好きだから」
空手に限らずというのだ。
「柔道に変えてみてって言ったらね」
「そちらが向いていてな」
「よくなったわ、だからね」
「向き不向きもだな」
「考えることよ」
「それも教育だな」
「向いていなくてもやる気があればね」
そうであるならというのだ。
「それなりになるけれど」
「そこまでだな」
「そうだしね、だからね」
「七菜は柔道か」
「あの娘も柔道気に入ったし」
「このままやらせるか」
「そうしましょう」
夫婦で話した、するとだった。
七菜は中学では柔道部に入りすぐに初段になった、そして。
「お互い頑張ろうね」
「うん、そうしよう」
大学生になって空手の世界大会に出る妹に柔道のオリンピック選手になったうえでエールを送り合った、二人共それぞれの分野で才能を発揮していた。好きなものでそれが出来ている姉妹はど知らも幸せで見守る両親も笑顔になっていた。
空手の才能はなくても 完
2024・8・17
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