第二章
[8]前話
「ブリーフの奴いなくていいな」
「いや、ブリーフって最近ないだろ」
「今穿いてる奴いるか?」
「そういないだろ」
「それは何よりだよ、ださいからな」
ブリーフはというのだ。
「だからな」
「それでか」
「お前ブリーフ嫌いか」
「そうなんだな」
「ああ、見るのも嫌だよ」
それこそというのだ。
「バスケの漫画で不良がジャージ脱がされてな」
「それで白ブリーフだったのかよ」
「それでそれが嫌でか」
「お前ブリーフ全否定なんだな」
「あと覚醒剤やった奴が包丁持って暴れ回ってな」
そうした事件の話もした。
「そいつ最初裸だったらしいけれど捕まってな」
「ああ、警察の人が穿かせたんだな」
「白ブリーフな」
「裸で逮捕の写真撮れないしな」
「それで買って穿かせたんだな」
「昭和の事件でもな」
そうであるがというのだ。
「ガキの頃その写真見てな」
「それでか」
「その漫画読む以前にか」
「お前ブリーフ嫌いになったか」
「特に白がな、それでヤンキーの下着は」
強い誇りを持って言い切った。
「やっぱりな」
「トランクスか」
「それかボクサーか」
「どっちかなんだな」
「ああ、ブリーフは駄目だ」
こう言ってだった。
池山はトランクスで通した、それは高校を卒業し就職して結婚してからもで。
妻にだ、息子が生まれるとこう言った。
「おむつ取れたら下着はトランクスだな」
「子供でも?」
「今ブリーフ少ないしな」
妻に言うのだった。
「いつも言ってる通りな」
「バスケの漫画と覚醒剤やった通り魔ね」
「その連中のことがあるからな」
「嫌いだからよね」
「ああ、本当にな」
妻に心から言った。
「この子の下着もな」
「トランクスね」
「そうだよ、幸いもうブリーフ少ないしな」
強い声で言って実際にトランクスにさせた、彼は死ぬまでブリーフを否定して穿かないし家族にもそうさせていったのだった。
ヤンキーのパンツ 完
2024・8・17
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