お前とは違う
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似た者同士、仲良く出来ると思うけど……ねえ、改めて僕と友達になろうよ。魔法使いと大荒魂の力をもつファントム同士が組めば、どんな願いでもきっと叶うよ」
「ふざ……けるな……!」
ウィザードはグレムリンに掴みかかる。
だが、毒に弱ったウィザードの体を、グレムリンの刃が難なく斬り払った。
「ぐあっ……!」
「勿体ないなあ。折角近しいのに、君は僕を拒絶するんだ?」
「俺は……お前とは違う!」
ウィザードは重い体を起こす。
「俺がファントムであることを受け入れたのは……この力で、誰かを守るためだ!」
そしてウィザードが手にしたのは、エメラルドの指輪。
ルビー、サファイアに続いて、ファントムとしての力を吸収した指輪。
それを起動させたウィザードライバーに読み込ませる。
『ハリケーン ドラゴン』
発生した緑___翡翠の魔法陣は、ウィザードの体を通過していく。
『ビュー ビュー ビュービュー ビュービュー』
すると、深紅のウィザードは、その色を翡翠に染め上げていく。
燃え滾る炎の魔力は、吹き荒れる風の魔力となり、ウィザードに定着する。同時に、その全身からは猛烈な風が吹き荒れ、全身を包む毒を吹き飛ばしていく。
「ぐっ……!」
「手に入れた力を、自分のためだけにしか使わないお前とは違う!」
緑の風が、毒を吹き飛ばしていく。散り散りになった毒は、やがて夜空の中に溶けて消えていく。
そうして、翡翠の魔法陣によって作り変えられたのは、ウィザードの新たな姿。
風の魔力を最大限に体に定着させた新たな形態。
ウィザード ハリケーンドラゴン。
「へえっ! 炎以外の魔法も強化されたんだね」
グレムリンは舌を巻く。
強化された風のウィザードは、そのまま上昇。ウィザードの上昇を防ごうとする蛇の顔を切り離し、グレムリンへ接近した。
「だあっ!」
ウィザーソードガンを振り下ろし、グレムリンの身体から火花を散らす。
「ぐっ……!」
ヤマタノオロチの力を得ても、グレムリン自身の獲物は、両手に持った刃のまま変わらない。
グレムリンはその両手の刃で反撃するが、一方ウィザードはすぐにウィザードライバーに別の指輪を読み込ませる。
『コピー プリーズ』
複製の魔法の力で二つに増えたウィザーソードガン。それぞれを逆手持ちにしたウィザードは、独楽のように回転。それはグレムリンの刃を弾き飛ばし、彼の赤いボディに次々と切り傷を付けていく。
さらに、ウィザードのローブを中心に発生した風が次々にウィザーソードガンに注がれ、より一層威力を増していく。
それに伴い、グレムリンが少女たちを拘束する力も弱まっていく。蛇たちも、グレムリンの防衛を優先する
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