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現実世界は理不尽に満ちている!
第73話「シスの暗黒卿」後半
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ロに受けてしまうが、歩兵が携帯するような光学武器クラスであれば問題なく防御出来た。

 BXコマンドーは自分のブラスター・ライフルの銃口部だけをシールドの膜の外に出し、敵のビームの影響を受けない安全圏から銃撃を行った。

 その直後だ。
 ダークネス卿の隣に立つBXコマンドーが、漆黒の小さな円盤を手に持ったのだ。半身になって肩を引くと、漆黒の円盤を2つ投擲した。

 手榴弾と認識したのだろうか、こちらへの攻撃が薄くなりつつある。
 しかし、ガトランティスは知らない。確かに爆弾ではあるが、厳密には―――殺傷能力が無い兵器なのである。

 その兵器の正体を知っているダークネス卿は、それ専用のゴーグルを装着した。更に、両手で耳を抑えた。

 その時だった。
 瞬間、白き閃光が艦橋を満たした。それは最早「音」や「光」と呼べる単純なものでなく、凶暴な力となって人の感覚を撹拌する。

 「―――私の目がッ、ワタシノ目ガァァァアアア!!」

 「―――ノルゥゥゥウウウ!!」

 後継者らしき少年の悲鳴とゴーランドらしき男の声が、艦橋の外までにも響き渡った。

 漆黒の円盤の正体は、閃光手榴弾。
 白き閃光と180デシベル以上の大音量により、効果範囲内の者に対して眩暈やショック状態を引き起こさせる代物である。

 「素晴らしい、実に素晴らしい」

 効果は抜群だ、表情が緩むダークネス卿。
 某大佐と同じ悲鳴を聞けたあまり、遂にはニヤケ顔まで浮かべた。

 この混乱に乗じて、突入してしまおう。
 突入を指示するとBXコマンドー7体が一斉に突入、制圧を開始した。

 「ゴーランドと後継者の首、討ち取るとしようか」

 ダークネス卿はゆっくりとした足取りで、艦橋へ入る。
 既に艦橋は制圧し、敵はゴーランドと後継者―――ノルを残し全滅。後はその2人の首を討ち取れば、艦隊はこちらの勝利で終わる。
 
 「呆気ないものだな」

 ゴーランドは倒れ伏せ、ノルは私に対し呆然と見つめているだけ。
 近づいた彼女は、深紅のライトセーバーを現界させた。
 
 「さらば、ノル」

 先ずは後継者の首、討ち取ってやろう。
 その時だった。

 「なっ、ゴ―――父上!?」

 突如としてゴーランドは起き上がり、咄嗟にノルを突き飛ばしたのだ。
 ノルが倒れた次の瞬間、ゴーランドの胸はライトセーバーに貫かれる。

 「…はぁ、邪魔が入った。庇うパターンもあったな。まぁよい」

 手首、足先、二の腕、太ももに、数え切れない刺突がゴーランドに突き刺さる。それは次第に、体の中心へと集っていった。

 「身体の先から中心へ突いていき、最後は心臓だったか。うむ、問題なく出来ているようだな」

 最後
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