第72話「テレザート星の封印、必ず完遂してみせる」
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
迎撃するが半分以上もの撃ち漏らしてしまい、ミサイル戦艦より放たれた巨大ミサイルは命中した。すると鮮やかで爆炎を生み出し、前方の敵艦隊の内の60隻が大破した。
そのブリリアンス艦らを、ゴーランド艦隊は優先して攻撃を開始した。前列のミサイル戦艦から、巨大ミサイルと多数の対艦ミサイルが放たれる。
ミサイル戦艦のみで構成されているゴーランド艦隊は、正面からのぶつかり合いに特化している艦隊だ。巨大ミサイルを筆頭に多数のミサイルは前方に装備してこそ、その真価を発揮する。
「ほう、攻勢を強めたか」
口元を緩めたその時だった。悲痛さの色を浮かべる、アイルノーツからの通信が入る。
『ゴーランド提督、我が軍の被害拡大。私のメダルーサ級は現在、敵兵に侵入されました。このままでは制圧され、敗北してしまう恐れがあります』
一泊置いたアイルノーツは提案する。
『《破滅の矢》で、我々ごと撃滅していただけないでしょうか』
その提案に、ゴーランドは軽く驚いた。自分達ごと撃滅して欲しいと提案してきたのは、アイルノーツで初めてだった。
いや、それだけではない。メダルーサ級を旗艦とした100隻の直掩艦隊が、まさかここまで被害が拡大してしまうとは。
「ブリリアンスの奇襲部隊、やりおるな」
そう称賛していたその時だった。
「ゴ、ゴーランド。ブリリアンスの奇襲部隊が、〈テレサ〉を開放してしまい…」
その報告に蒼ざめるノルに、ゴーランドは一喝した。
「狼狽えるな、馬鹿者!」
ビクッと一瞬震えるノル。
ゴーランドは言葉を並べ、幼生体を卒業したばかりの「後継者」を落ち着かせる。
「忘れたか、陸戦師団がいる限り敗北は無い。我らの相手は前方のブリリアンスだ、見誤るでない」
冷静の色を取り戻したノルは、ゴーランドへ謝罪する。
「見苦しい姿でした、申し訳ありません」
一瞥しないゴーランドは、頷きを以って応えた。
「我らの戦は大胆にして緻密。戦いの始まる前から、布石は打たれている」
艦隊による攻撃を継続するよう命令したゴーランドは、続けて新たな指示を出した。
「〈ゴーランド〉回頭せよ、《破滅の矢》を放て!」
『ありがとうございます!―――』
「通信、途絶えました」
本来ならば直掩艦隊に袋叩きにさせる予定であったが、止むを得ない。封印作業をやり直さなければならないデメリットもあるが、こればかりは仕方ない。
それに、だ。
ガトランティスの為に―――大帝の為に死ねるのは、とても誉れで名誉な事なのだ。
最後方に位置する〈ゴーランド〉は回頭を終えると、ゴーランドは発射命令を下した。
「《破滅の矢》、発
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ