第64話「見たまえ桂木くん、《シュトラバーゼ》の姿を!」
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もそうだが、一番は《シュトラバーゼ》で使用する筈だった―――100式空偵が届かなかった事。なんでも、輸送中に月で事故が起きたそうだ。
全く、こんな事になるなら、第十一番惑星で調達したほうがよかったよ。
「教授、この〈ヤマト〉にも100式空偵は積んでますよ」
おぉ、そうか。それはよかった。あれは、中々に使い勝手がよい機体だからな。エンケラドゥス調査ぶりに地球で乗ってみたが、操縦の腕は落ちていなかった。
…思い出してしまったよ、腹ただしい男を。
「彼、ですか」
そう、司令官の土方竜だ。穏便な態度で接してやったというのに、何だあれは。取り付く暇もない。無礼な男だった。
この調査は、芹沢氏の肝いりなのだぞ。あの男は一生、太陽系最果ての星に勤務したいらしい。《シュトラバーゼ》の調査が成功した暁には、私に対する非礼な代償を支払うことになるだろう。
そういえば、君はあの時ベランダにいたな。あの司令官の失礼極まりないを目の当たりにせずに済んだなら、幸運というもの。
思えば、桂木くんとは初めて顔を合わせたのも第十一番惑星だったな。教授のお役に立てる、と熱心に聞いて助手は君しかいないと固く決めたものだったよ。
「ふふっ、ありがとうございます」
本当に立派なものだよ、君は。
学生時代から、外惑星文明を専攻しようとする人間は少なくてね。君のように進路を選ぶ段階で、身を捧げるという人間は珍しかった。
「ガミラスとの戦争が開始した直後に、進路を決めていました」
ふむ、そうだったのか。桂木くん程の人間は、そうはいない。文句の付け所がない経歴だと、今でも思う。逆に君のような人間が何故、この調査に加わったのか不思議なくらいだ。
「教授が、アケーリアス調査の第一人者だからですよ」
おぉ、それはなんともありがたい言葉だ。なんだか、報われる気がするよ。だからこそ我々は―――、
「偉大なる超古代文明の継承者として謎を解明する、ですか」
そうだ。解明せねばならない。君の言う通り、偉大なる存在の継承者して。調査団は君とわたし以外殺されてしまったとはいえ、せめてこの星の遺跡をこの目で見てみたい。
だから桂木くん、協力してくれ!
「勿論です、教授。協力させていただきますよ。だから―――」
―――チャンスは自分の手で、ね。
ありがとう桂木くん、君はいつもイイ事を言う。嬉しいよ。
「それほどでも」
なんとしてでも、目的を果たさなくては…。
ふと思い出したが、私は一度死んだような気がするが??????あり得ないか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
《3号SIDE》
なるほど、イイ事を聞いた。では
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