第62話「波動砲の輝き」「愛だよ」
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八機動艦隊の内にて、ちょうど”接続”寸前の人工太陽へと突き刺さった…。
―――ガトランティス・第八機動艦隊旗艦〈メーザー〉。
「ど、どうした…?何が起こっている…?!」
白と灰色で複雑に塗装されたカラクルム級の艦橋で、第八機動艦隊を率いる提督―――メーザーは眼前の光景に混乱していた。
後少しで《レギオネル・カノーネ》のコアポイントに接続する筈だった人工太陽が、地球の戦艦〈ヤマト〉より波動砲の攻撃を受けると同時に紫がかった放電光を発し、第八機動艦隊を構成するカラクルム級1隻1隻に纏わりつく。
「何らかの干渉波が、全艦隊の動力部に異常を来たしています!」
「メーザー提督!」
「どうした!」
「人工太陽、崩壊。《レギオネル・カノーネ》の陣、崩れます!」
「そ、そんな…!?」
暴発するエネルギー―――波動共鳴が、《レギオネル・カノーネ》の陣を敷いていたカラクルム級戦艦群へ連鎖、艦隊の端々にまで及んでいく。
メーザーが座乗する旗艦〈メーザー〉も例外ではない。第八機動艦隊に属するカラクルム級は動力部に異常発生し、1隻も残らず操艦不能となっていく。
陣形を組むカラクルム級の群れは1隻、また1隻と死んだように漂って位置を離れる。《レギオネル・カノーネ》を放つために形成していた円筒形は崩壊の一途を辿っていた。
人工太陽も燃え尽きたとばかりに輝きを失い、《レギオネル・カノーネ》へ使用するエネルギー供給が不可能となったのは明白だった。
「…ッ!!」
第八機動艦隊は『《レギオネル・カノーネ》を使用する任』を果たせなかったどころか、その戦闘力の全てを喪失してしまった。その事実を認識したメーザーは表情が歪み、恥辱のあまり拳を握りしめた。
―――ガトランティス。
野蛮にして戦闘種族と称される彼らの母星が何処に存在するのか、ガミラスを含む星間国家は今も分からない。
分からない、それは当然だ。
何故ならば―――常に移動している国家なのだから。
その移動する国家の中枢にて、ズォーダー大帝に近しい高位の者達―――最高位幕僚が《王座の間》と呼ばれる空間に集まっていた。
1人は、艦隊司令長官を務める老年の男―――ゲーニッツ。
1人は、支配庁軍務総議長を務める壮年の男―――ラーゼラー。
1人は、”第七機動艦隊”を率いる男―――バルゼー。
1人は、諜報記録長官を務める老年の男―――ガイレーン。
誰もが口を閉じている中、最高位幕僚の一員である若い女の声音が王座の間に響き渡る。
「波動砲―――バラン星を崩壊させた武器か」
そして最後は、丞相にして巫女である―――シファル・サーベラー。臨席す
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