暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第62話「波動砲の輝き」「愛だよ」
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 それから数時間が経過した現在、第十一番惑星には夜明けが訪れていた。

 空にはガトランティス軍―――第八機動艦隊の巨大な影が見え、長大な円筒形とそれを囲む複数のリングが大量のカラクルム級戦闘艦によって形成されている。

 間もなく、かつてガミラスがこの星を開発すべく移送してきた人工太陽が、第八機動艦隊が形成する円筒の側面に空いた穴に入り、カラクルム級が装備する《雷撃端末》によって、地球を破壊するための《レギオネル・カノーネ》のエネルギーへ転換される。

 それは、ガトランティスにとって予定通り。

 「達する」

 だが、その予定を破壊せんとする意志を抱く宇宙戦艦ヤマトは、既に戦闘配備を整えていた。
 地表からそう離れていない高度で静止する〈ヤマト〉の頭上には、ガトランティスの新鋭戦艦―――カラクルム級戦闘艦のみで構成されている250万隻の敵艦隊の姿がある。

 「―――本艦は只今より、波動砲発射シークエンスへ移行する!」

 艦長代理を務める男―――古代進が宣言する。同時に艦内へ向け、その旨を知らせるアラートが鳴り始めた。波動砲発射後の波動エンジン再起動に備え、艦内電力が切り替えられ、艦内の照明は薄暗くなる。

 航海長―――島大介から艦長代理―――古代進へ操艦権限が移され、〈ヤマト〉の艦首は軌道上に集結するガトランティス第八機動艦隊へと向けられる。

 古代進が握っている照準―――ターゲットスコープには、第十一番惑星の人工太陽が重なっていた。既にガミラス製の人工天体は敵艦隊が形成する砲身内へ進入している。

 ターゲットスコープに人工太陽が重なっている理由は、だ。

 敵艦隊が砲撃のエネルギー源にしようとする人工太陽を波動砲で撃ち、破壊しカラクルム級戦闘艦の機関を異常発生させる現象―――”波動共鳴”を引き起こす為である。

 アドバイザーとして乗艦するキーマンの助言が無ければ、実行には至らなかった。ちなみにそんな彼は今、山本玲と共に夜明けの景色を見ていた。

 「総員…対ショック、対閃光防御!」

 古代の凛とした声を受け、艦橋内のメンバーは波動砲用ゴーグルを着ける。艦橋窓にも、閃光を和らげる電子スクリーンが展開される。

 波動砲のトリガーに、古代の指が掛かる。

 その瞬間、彼の胸にはあらゆる感情が去来した。

 沖田艦長。
 イスカンダルの女王―――スターシャ。
 兄の古代守。

 様々な人の顔を幻視する彼は、地球を守るため―――波動砲の発射トリガーを引き絞った。

 「波動砲、発射ァ!」

 瞬間、突入ボルトが圧力薬室へ突き刺さり、光の粒を波動砲口へと集めていた艦首から青白い光の奔流が迸り、一気に第十一番惑星の空を駆け上がる。

 そして、ガトランティス第
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ