暁 〜小説投稿サイト〜
カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
三月の戦闘 X
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
体からの一撃。普通に考えれば抜刀術の方が先に届くはず。

 ・・・だが、その程度も覆せないようでは、【剣の王】を名乗るには値しない。

「いい腕だ。けど、まだ足りない。」

 ドニの魔剣と鈴蘭の創った刀がぶつかり合い、一瞬のうちに刀は斬り裂かれた。どう考えても彼女の攻撃のほうが早かったはずなのだが、ドニはそれを完璧に防御して、逆に武器を破壊することに成功したのだ。

「終わり!」

 そのまま流れるように魔剣を振りかぶって鈴蘭に斬りかかるドニ。だが・・・

「うん。終わりだね。」

 その言葉と共に、斬り裂かれた筈の刀が、ドニに向かって伸びてきた(・・・・・)

「!?」

 動揺しながらも攻撃を続けたところは流石だが、今回ばかりはその一瞬出来た隙が致命的であった。

「一度、言ってみたかったんだよねぇ・・・。無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)・・・って。」

 彼女たちを、無数の輝きが囲む。

 それは刀であったり、直刀であったり、はたまたナイフだったりもした。多種多様な武具が、その切っ先をドニに向けており、その喉元には先程伸びてきた(・・・・・)日本刀が突きつけられていた。

「・・・まいったよ。まさか、一度斬り裂いた武器が再生するなんてね。」

 その言葉を聞いた鈴蘭は、全ての武器を消し去った。

「武器を創るのも継ぎ足すのも変わらないでしょ。」

「そりゃそうだ。」

 クククッと彼は笑う。現に彼女は、腹部の傷に、アルケーで作成した新しい細胞を継ぎ足して(・・・・・)治しているのだ。それが武器にも使用出来ると考えなかった彼が悪い。

「楽しかったよ。また今度戦おうね!」

「ま、気が向いたらね。」

 そう言いながら、最初にやったように彼女がパチンと指を鳴らす。

『ウッ!?』

 またもやあの不快な感覚が襲ってくる。それと同時に、世界は戻った。

「じゃ、ドニは出てってね。私の報酬の為に。」

 結構酷いことを平然と言う鈴蘭。まぁ、迷惑ばかりかけさせられているのだから、これぐらいの悪態は普通かもしれないが。

「分かったよ。じゃ、またね!」

 笑いながら去っていくドニ。それを追いかけようとしたアンドレア(苦労人)は、何かに気がついたように鈴蘭へと走り寄ってきた。

「それでは【聖魔王】様。今回は色々とご迷惑をおかけしました。報酬やその他の話は、明日にでも。それと・・・」

「ん?何?」

「【聖魔王】様の創った武器などは、依頼すれば創って貰えるでしょうか?」

 その言葉に、鈴蘭はニヤリと笑い。

「伊織魔殺商会に、お任せあれ♪」

 こうして、迷惑な魔王は去り、日本につかの間の平穏が戻ったので
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ