第一部
三月の戦闘 X
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撃や防御に割り振らなければならないのに、彼女は一撃一撃に100%の力を注ぎ込む事が出来る。
オマケに、彼女の権能は戦闘にしか使えない権能ではない。むしろ、日常生活でその威力を発揮する権能だろう。
元手がタダで、無限に何でも創れるのだ。
伝承が確かなら、アルケーは万物の素となる存在だ。それを好きなように加工出来るというのなら、それこそ、ミスリル銀やらオリハルコンやらという、超希少金属や想像上の金属ですら創れるのかも知れない。
シンプル故に最強。
その言葉が、二人の脳裏を駆け巡った。
「つまり、その刀はその能力を駆使して創ったんだ?」
「そう。ヒヒイロカネ、ホーリーミスリル、オリハルコン、ダスマスカス。考えうる限りの金属を使って、今創ってみたの。最後に、刀身にエーテルでコーティングしてある。」
クラリと、アンドレアは倒れそうになった。伝説上の金属や希少金属のオンパレード。更にそれを加工する技術。トドメにエーテルの武器転用など、コレを売りに出したらそれだけで一国が買えてしまうかもしれない。この魔王にとっては、今回の報酬である二億円などはした金ではないか!
「さて。」
鈴蘭が、刀をドニに向けながら笑う。
「もうそろそろ終わりにしない?勝負しようよ。勝利条件は、相手に武器を突きつける。・・・つまり、寸止めね。私もあんまり痛い思いとかしたくないし。」
「え〜!ここまで気分が乗ってきたのに・・・。」
「ド〜ニ〜・・・!!!」
何時の間にか近づいていたアンドレアが、ドニの首を絞める。まだ【鋼の加護】を発動しているために痛くも痒くもないのだが、それでもアンドレアがどれだけキレているかがわかったらしい。
「はぁ・・・。分かったよ。」
シブシブその条件で納得するドニ。やっと安堵できたアンドレアは、瞳の隅にキラリと涙を流しながらその場を離れる。巻き込まれないようにするためだ。
「じゃぁ・・・いくよ?」
「うん。このコインが地面に落ちたらでいいよね。」
鈴蘭が懐から一枚のコインを取り出し・・・宙に弾いた。
『・・・・・・』
それぞれの武器を構える二人。鈴蘭は、日本刀の極意の一つとも言える抜刀術の姿勢。ドニは全くの自然体だ。実は、鈴蘭はこの抜刀術がカッコイイという理由で、睡蓮に教えてもらっていたのだ。厳しい修行だったが、戦いに関するカンピオーネの学習能力の高さも相まって、実践で使えるレベルには至っている。
キン!とコインが音を立てた瞬間
『!!!』
二人は同時に駆け出した。
「シャア!!」
「・・・フッ!!」
疾さを極めた剣術とも言える抜刀術と、ドニの全くの自然
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