第53話「テレサと、地球の真実」
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古代とキーマンが降り施設へと向かった。施設は、ガミラスのガミロイドに似たドロイドが警備していた。先と同様、キーマンが流れるように身分証明を示すカードを提示すると、道を開け施設への入りを許可された。古代はそれに、ガミラスの軍施設なのかとキーマンへ尋ねたが、首を横に振っただけだった。ただ首を横に振っただけだったが、古代は言外に告げられているのだと感じた。―――見れば分かる、全てはそれからだ。首を横に振ったキーマンのそれは、言外でこう告げていたのだ。
古代とキーマンは施設に入った。この施設は1年と新しい為、汚れが一切無い。職員はいなく、2人だけだ。
キーマンから防護服を着るように促された古代は怪訝な色を浮かべたが、促された通りに着用する。2人の出で立ちは、地球上に居るとは思えない程に物々しい。宇宙空間での船外作業に使う船外作業用の宇宙服以上で、厳重な防護服を纏い気密式ヘルメットを装着していた。着終えると、2人は施設内部に存在する立坑へと向かった。真っ直ぐと地下へ伸びる巨大なトンネルで、一定間隔で置かれた照明がどこまでも続く。
地下へ行くカプセル型のエレベーターに乗ると、エレベーターは降下していく。立坑は想像以上の深さがあり、地下都市の最深部と同等かそれ以上の深さであった。エレベーターが停止し扉が開かれると、目を見開く光景がそこにはあった。左右に巨大な滝が壁のようになっており、さながら海が割れたかのような光景。しかも、その滝は”下から上へ移動している”。
驚きを隠せない古代は、キーマンが前の通路へ足を踏み出したことで我へと帰り、彼に続く。一瞬とはいえ、天井方向へ”落下”してしまうのではと恐れたが、それは杞憂のようだった。2人は1つの通路の奥にある扉へ一歩一歩と近づく。
そうして、突き当りの扉まで来たところで、キーマンが口を開く。
「1時間のツアーだ。それ以上は身体が保たない」
キーマンは装着している腕時計の時刻を、グローブに包まれた太い指先で操作しアラームをセットする。それがどういう意味なのか気になる古代だったが、その問いかけを飲み込む。答えはこの扉の先にある。ならば自分はそれを見なくてはならない。必ず、答えを見るのだ。古代も、キーマンと同様にアラームをセットした。
眼前の扉には、この施設が地球連邦政府の関与するものであると示す―――「UNCF」の文字が印字されていた。キーマンは、扉の脇に位置する操作パネルに手をやると、ロックされていた扉が開いていく。扉の先には黒基調のシリンダー状通路が続いており、通路の幅は人間で例えると2人分であった。湿度が高いのか、水滴が至るところに存在しており、天井から水滴がポタポタと振って来ている。
「行くぞ」
キーマンが進み、古代は彼に続いた。背後で扉が閉まる
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