第53話「テレサと、地球の真実」
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願いを叶えられる」
「では、ガトランティスの目的は…?」
問われたバレル大使は、既に苦笑いから真面目な色を浮かべていた。
「封印を解くこと。だが、既に解かれている可能性も否定出来ない」
やはり救難信号かと、古代は思う。真田や島に、自らがそれを口にした結論はやはり正しいのではないか。古代の瞳は、テレザート星があるとされる宙域付近に釘付けとなる。その付近には、白色のクェーサーが存在する。真田に見せられた宇宙図にも、これが表示されていたのだ。何か意味があるのか、それは分からないが見ているとゾッと震えそうになってしまう。
「無論、推測に過ぎん。だが〈ヤマト〉のクルーが選ばれたのは事実だ。地球やガミラス、ブリリアンスではなく、君達を」
瞬間、テーブルの上に浮かぶ立体映像が消えた。古代の顔を、バレル大使は真剣な眼差しで見つめている。そして彼は、顔を動かさないまま控えているキーマンの名を呼んだ。
「彼を連れて地球に降りろ。行き先は分かっているな」
「はっ!」
バレル大使へ振り向くと、キーマンはガミラス式の敬礼をした。
「その目で、地球の真実を見ろ」
ソファーから立ち上がると、バレル大使は背を向け地球を見つめた。同じくソファーから立ち上がった古代は、キーマンに先導されながら出口へと向かった。
―――地球。
バレルの命令を受けたキーマンに連れられた古代は、標準的なガミラス艦で地球へと降下した。その途中、搭載していた偵察機《スマルヒ》で船を発ち、目的地である某砂漠地帯へと向かった。
某砂漠地帯はコスモリバースシステムにより流星爆弾の影響が無いものの、今のところ使い道が無いという理由で復興計画から外されている地域である。その為、立入禁止区域と指定されている。
しかし、目的地である立入禁止区域は、ただの立入禁止区域では無い。標準の監視カメラとフェンスの他、他の立入禁止区域には絶対に存在しない無人戦車と無人警戒機に、NASAが開発した人型機動兵器―――【戦術機】が目を光らせているのだ。これが、ただの立入禁止区域であるほうがおかしい。
つまり、この某砂漠地帯の立入禁止区域は、それだけの価値があるということ。
厳重な警戒が敷かれている某砂漠地帯の立入禁止区域に偵察機《スマルヒ》を確認すると、直ぐさま警告が送った。無人警戒機が近づいたと同時に、監視カメラ・無人戦車・【戦術機】の視線がたった1機の偵察機《スマルヒ》へ殺到する。
偵察機《スマルヒ》に乗るキーマンがコードを送信すると無人警戒機は去り、監視カメラ・無人戦車・【戦術機】の視線も無くなった。進入が、認められたのだ。
《スマルヒ》は高いフェンスに囲まれた施設の側に着陸すると、機体から
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