第52話「素晴らしい!」
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物を発見し、「元気でいいね」と告げた後に帰宅した。よかった、事件が無くて。それにしても、2人が顔を赤らめていたのは何故だろう。
う〜んと首を傾げるが、満足する答えが出そうにない。後で我が娘に聞いておこう。あ、そういえば司令部に行かねばいかなかったな。
スヴェートは席を立ち、私室を後にした。
―――司令部。
現在、スクリーンには資源産出についてのデータが展開されていた。深海の資源収集プラットフォームが、稼働を開始したのだ。
「資源、資源の回収量、…素晴らしい!」
席に座るギルド長スヴェートは、上昇している生産量グラフを観て喜んだ。彼女の前に立つ漆黒のコスチュームを着用している宰相スラクルは、その様子に微笑みながら報告を続けた。
深海に建造された巨大な採掘機械が、今も海底を削り取っている。周囲の海水、堆積物をまるごと吸引し、資源のみを選り分け、資源以外の物質は排出。
採掘による汚染は最低限に抑えられているが、流石にプラットフォーム周辺は撹拌されてしまう。周囲への拡散は、設定した閾値を下回っている。
海底に堆積している各種鉱物を回収するという性質上、単に削り取るだけでは、周囲へ大量の有機堆積物、土砂が拡散されてしまう。
そのため資源回収プラットフォームはゆっくりと移動し、資源以外の有機物はペレット状に押し固めて排出しているのだ。
その甲斐もあり、水の濁りや有機物の飛散は最低限に抑えられている。
移動に伴う海水撹拌も最低限に抑える為、非常に生物的な見た目となっていた。
海底を移動しつつ、堆積している鉱物資源を吸い込んでいくのが、海底プラットフォームである。
「―――また、発見された熱水口周辺には、大量の希少金属が堆積しています。これらを回収する専用装置も稼働を開始しました。現在も、耐腐食性を高めたプラットフォームにより採掘を行っております」
熱水鉱床と呼ばれるこれらは、金属が溶け込んだ状態で海底より噴出することで生成される。地下を含め、熱水噴出孔周辺では希少金属元素を大量に回収できる可能性があり、非常に有望な鉱床といえる。
「海底は宝の山だな」
資源を回収し、回収資源を生産設備や兵器に回し、一部は備蓄資源として溜め込んでいく。惑星破壊兵器を建造するプロジェクト―――《スターダスト計画》へ資源を回していたこともあり、マイナスとはならないものの生産量は下降傾向にあった。しかし、海底プラットフォームの稼働により生産量は拡大しつつある。順調である。
頃合いだろう。スヴェートは、スラクルに問いかける。
「《ギルド長級 建造計画》の運用データは、集まっているか?」
「はい、ギルド長閣下。試作艦のテストは問題なく完了。
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