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東方守勢録
第九話
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林で道案内を行っている。大昔にある不老不死の薬を飲んだ経験があり、それから老いることも死ぬこともない生活を送っているらしい。本人いわく不老不死というよりかは魂の存在なのだとか。
 ちなみにウサ耳をつけた少女の名は『鈴仙・優曇華院・イナバ』という変わった名前を持った月兎の少女だ。通称は鈴仙やウドンゲと呼ばれることが多い。へんてこな名前とは裏腹にすごく真面目な少女で、医者である永遠亭主人の助手を担当している。
「しっかし、鈴仙もマメだよな。こんなの掃いてもすぐたまるぞ?」
「そうですね。でも、何かしてないと落ち着かなくって……」
 二人はたまに笑顔を見せながらたわいない会話を続ける。そんな中急に表情を曇らせた妹紅が、鈴仙にあることを問いかけ始めた。
「ふ〜ん……ところでさ、鈴仙」
「なんですか?」
「その……さ、今更だけど……あたしらが一緒にいること……変に思わないのかなって」
 普段は永遠亭に妹紅は住んではいない。それどころかここに訪れるのは患者を連れてくるときと彼女のライバルに勝負を挑む時だけで、頻繁に訪れるというわけでは無いのだ。
 そんな彼女の質問を聞いた鈴仙は、少し考えた後苦笑いをこぼした。
「あ〜もうなれました」
「……そっか」
 少しキョトンとしていた妹紅だったが、変な質問をしたと感じたのか鼻で笑ったあとそう言っていた。それ以降会話は長く続かず、沈黙の空気が二人を包みこむ。そんな中鈴仙は何か思ったのか、ふと箒をとめ妹紅のほうに振りむいてしゃべり始めた。
「でも……仕方ないですよ。こんなことになっちゃんたんですし」
 急にそんなことを言われた妹紅はまたキョトンとした様子で鈴仙を見ていたが、納得する理由があったのか軽くうなずいていた。
「それもそうだよな……だからあたしは輝夜との勝負を中断して、慧音と一緒にここに来たんだもんな」
妹紅はそう言いながらさびしそうな目で遠くの空を眺めていた。

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