第48話「就役式典」
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
したことで、いよいよ発表されようとしていた。拍手と歓声がペネットを迎える中、彼は演壇の前に立つ。演壇直下の貴賓席に座る軍需産業オブザーバーはペネットが演壇してもなお談笑しているに対し、オブザーバー前列の貴賓席に座る5人の者達は静かにしていた。
ペネット大統領は、観客達へ応えるよう暫くの間は沈黙していた。それからゆっくりと見渡してから、全世界の皆さん、と呼びかけた。
「私は、地球連邦政府初代大統領として、今日ここに最新鋭艦アンドロメダ級の完成を、報告する者であります」
登壇した以上に、歓呼が湧き上がる。華々しくも晴れやかな式典は、地球連邦の影響力を及ぼす範囲全てに渡り生中継されている。ペネット大統領は続ける。
「宇宙の平和、それをもたらし、それを守る力となるのは、我が地球とガミラス、そしてブリリアンスの同盟であります。その重責を担うシンボルとして、既に一番艦である〈アンドロメダ〉は共同作戦に従事し、華々しい戦果を挙げております。続く4人の姉妹も、必ずや我々の期待に応え、平和を守る盾となってくれることでしょう!」
この4隻とは別に、〈アンドロメダ〉が就役していることを多くの者は聞かされていなかった。その為、どよめきの色を観客は浮かべているのは当然だった。けれど、それがどれ程の意味を持っているのか、観客は理解する。
―――5隻!?〈ヤマト〉よりも大型の戦艦が5隻も!これは凄い!
―――華々しい戦果を挙げた!流石は地球連邦!
―――早くプラモデルとなって出て来て欲しい!
どよめきは歓喜へと変わった。熱狂と興奮が、観客を支配する。
貴賓席に座るガミラス人の駐在武官―――クラウス・キーマンという名の金髪の青年は、熱狂と興奮が貴賓席にまで伝わるのを感じていた。この式典の模様は、本星にも送られている。本星は地球を頼もしい国家と見るか、それとも脅威と見做すのか。反応は、現時点では分からない。
ガミラス本星と同じく、ブリリアンスの本星にも送られていることだろう。ブリリアンスは我が国と同様に、地球を頼もしい国家として見るのか、脅威とするのか。だが、あの国家の反応は、前者だろう。
ブリリアンスはどのような国家なのか、それは定かではない。分かるとすれば、ガミラスと同じく一つの銀河を支配し、そして、火焔直撃砲の砲撃を防御してみせた全長700m級の楔型艦を何隻も保有していることだ。
チラリっと、正面の海へと視線を向けていたクラウスは、地球連邦軍統括司令長官―――藤堂の左隣に座るブリリアンスの大使を見やる。ブリリアンス大使は女性で、年齢は23歳。艶かで美しく、きめ細かな黒髪。整った形の眉に、スッと筋の通った小鼻。女性らしい長い睫毛。強い意志を感じさせる唇。雪のように白い肌にはシミひとつ無く、シルク
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ