第47話
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そういえば、とスヴェートはホログラム投影装置を起動し設計図を観ながら思い出す。思えば、こちらもワープを阻害することが出来るのを保有しているんだったな。《ガミラス臣民の盾》と同じくワープを阻害する能力を有するが、《ガミラス臣民の盾》には無い能力が存在する。それはワープ空間にいる艦船を捕捉し、通常空間に引き戻す能力。”アレ”は確か今、テスト運用をしてるんだったな。
「さて、と」
設計図から予定表に切り替えたスヴェートは、水を飲みつつ確認する。失敗に終わったガトランティス新鋭戦艦による首都特攻事件の翌日の朝より、式典―――アンドロメダ級の進宙式が開催されるのか。我がブリリアンスの駐地球大使である為”アイツ”は、式典に参加。大使だから参加するのは当然だろう。
「この目で見てみたかった」
叶わぬ夢だな、とスヴェートは溜息を吐く。そうほいほいと、ブリリアンスの頂点が地球に直接行っては色々と大変なのは、流石の自分でも分かっているつもりだ。
「そういえば、未遂で終わった首都特攻事件の日に太陽系全域で通信障害が起きたんだったな」
原因は未だ分かっていない。ただ分かるとすれば「地球に向けれた」くらいだ。それと、アイツからこんな報告が来た。要約すると「知人、あるいは親族の幻を見た者達が地球連邦軍の中にいる」、と。
「気になるものだ」
深く座るスヴェートが口にした直後、向かい側のドアが開かれる。スヴェートはオッドアイの視線を、開かれたドアに向ける。そこには、タクティカルドロイドと2体のコマンドー・バトルドロイドが入室していた。ボディカラーが青基調のタクティカルドロイドは、目のセンサーを白く点滅させながら告げる。
「スヴェート様。シャトルノ準備ガ整イマシタ。隣星系ノ第4惑星宙域ノ建設現場にテ、スラクル様ガオ待チデス」
このタクティカルドロイドが準備していたのは、隣星系の第4惑星の軌道上で建造が進む球体の人工天体へ視察に向かう為のニュー級アタックシャトルだ。建造の都合上、改アクラメータ級戦闘航宙艦に搭乗しての視察となる。スヴェートはこれから、視察しに行くのだ。
「行くとしようか」
ホログラム投影装置の電源を消したスヴェートは立ち上がり、足取りを緩めることなく私室を後にした。
そして、彼女を乗せたニュー級アタックシャトルは本部から飛び立ち、Xウィングスターファイター6機に護衛されながら本星を後にしたのだった。
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