暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第42話「第八浮遊大陸攻防、開始」
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
理由は、ガミラスからの情報提供と捕虜の尋問で得たからだ。

 しかし、よりによって、メダルーサ級殲滅型戦艦が投入されているとは。戦術ドロイドは思う。宇宙戦艦ヤマトの戦闘記録からしても、転送システムを応用したアウトレンジ砲撃―――火焔直撃砲は面倒極まりない兵器だ。ましてやアクラメータ級を一撃で沈めたのだから、ブリリアンスにとっても脅威だ。それが3隻も同宙域に存在するとなると、厄介なことこの上ない。

 しかし、だ。それは心配無用だろう。
 《ガミラス臣民の盾》を艦首前方に展開装備している、改ゼルグート級装甲突入型があるのだから。元々ゼルグート級という艦種自体が重装甲ではあるが、特筆すべきは《ガミラス臣民の盾》だ。

 一見すると、ただ艦隊を守る盾の物。それは正しい。しかし、そんなチャチなレベルではない。

 《ガミラス臣民の盾》の持つ各種効果については、だ。一つ目が、単純かつ強力な防御性能で「耐える」という一点にかなり絞るものの、実質的な改ゼルグート級専用の対火焔直撃砲装甲として機能。2つ目が、転送や如何なる次元跳躍をも不可能にする空間撹乱能力。

 つまり、だ。

 この《ガミラス臣民の盾》があれば、転送システムを応用したアウトレンジ砲撃は使用出来ない。その証拠に、だ。アウトレンジ砲撃は無く、艦隊による奇襲も無い。《ガミラス臣民の盾》が、正常に機能している証明だ。

 《ガミラス臣民の盾》があるだけで、連合艦隊は優位となっている。とはいえ、だ。火焔直撃砲を装備するメダルーサ級は未だ健在。アウトレンジ砲撃で出来なくとも、通常射程に入り次第、ガトランティスは火焔直撃砲を使用するだろう。

 思考の最中、キャプテン・シートに座る戦術ドロイドにバトルドロイドが報告した。

 「全メダルーサ級、火炎直撃砲ヲ発射」

 報告された直後だった。火炎直撃砲の砲口に眩い紅蓮の輝きが白光に変わったかと思えば、巨大な火焔流と多数のプロミネンス状のエネルギー弾を撃ち放つ。
 
 「改ゼルグート級装甲突入型〈ケルベロスT〉、同〈ケルベロスV〉、同〈ケルベロスW〉に着弾」

 装甲突入型ではないゼルグート級であれば一撃で轟沈し、改ゼルグート級であれば”防御出来るかもしれない”だが、この装甲突入型は違った。

 「《ガミラス臣民の盾》に、損傷ハアリマセン」
 
 「受ケ止メタゾ、凄イゾー!」

 「踊ロウトスルナ馬鹿者!此処ハ戦場ダゾ!集中シロ!」

 「スミマセン…」

 《ガミラス臣民の盾》は破れるどころか、傷すら無かった。穿つことが出来ないその漆黒の盾に、ガトランティスの将兵は驚愕するだろうと、戦術ドロイドはそう分析した時、艦隊が射程圏内に入ったと報告を受ける。

 戦術ドロイドは、即座に命令を下した。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ