第41話「第八浮遊大陸」
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ていた。
亡き元帥主導で建造され、大艦巨砲主義思想を色濃く反映させた艦級でもある。それ故にガミラス艦艇で最大級の全長730mを誇り、それに見合うだけの火力と防御力を備えている。
とはいえ、だ。第38辺境任務部隊にいるこの改ゼルグート級は違う。この改ゼルグート級は装甲突入型と分類される艦で、防御を重視した艦種となる。
漆黒の改ゼルグート級各艦の艦首の前方に、巨大な壁のような盾が付随するように浮かんでいる。三層で一枚として機能している漆黒の盾には、ガミラス国家のシンボルマークが刻まれていた。この盾は”共同作戦”で重要な武器となる代物となる為、装備されているのだ。
「ルーゲンス閣下、間もなく地球艦隊との会合時刻となります。地球艦隊との会合時刻から1分後、ブリリアンスとの会合時刻となります」
「うむ」
改ハイゼラード級航宙戦艦〈ルーゲンス〉艦橋にて。
士官からの報告に、第38辺境任務部隊の司令官を務める男―――ルーゲンスは目を閉じたまま頷いた。階級は中将で、年齢は地球換算で40代後半。強面な容姿と鋭い視線が特徴的だ。
ルーゲンスは、憤っていた。
管轄下にあったこの某星系の第八浮遊大陸基地が蛮族―――ガトランティスに占領されてしまい、名誉に泥を塗られる形となったが為に、今回の奪還に向けて闘志を燃やしているのだ。
そしてこの作戦に際して、共同戦線を張る為に来援する同盟軍―――地球艦隊とブリリアンス艦隊の到着を待っていた。地球が先で、次にブリリアンス。
かつて地球とは敵対関係にあった。地球とは3年前までは戦争状態で、技術格差によってガミラス優位の内に進んでいた。だが、だ。計り知れない地球人の闘志を反映した宇宙戦艦ヤマトの登場で、状況は一変した。
結果として帝星ガミラスでの本土決戦を機に、本国は講和の道へと舵を切った。
敵対関係にあった地球と手を組み、その地球の艦隊が間もなく現れる。ルーゲンスは思うのだ。本来なら地球人の手を借りなくとも遂行すべき任務ではあるが、上層部の命令であれば従わねばなるまい。
「前方にゲシュ=タム・ジャンプの空間歪曲を多数探知。艦隊規模は270隻」
「目標、ゲシュ=タム・アウト。データ照合―――地球連邦軍の特別編成艦隊です」
「定刻通りだな」
その報告を耳にして、ルーゲンスは目を開いた。ゲシュ=タム・アウト―――地球で言うところのワープ・アウトをした宙域から此方にやって来る、地球連邦軍の特別編成艦隊の姿を目にする。
「我らの役に立ちますかな」
ルーゲンスの傍に控えている副長が口を開く。副長を務める彼は、直接にして地球艦隊と砲火を構えた経験は皆無であり、侮る節が多い。その証拠に、副長は不快を込めた視線を
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