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東方守勢録
第八話
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つらかったのだろう。さっきの事も考えると彼女の精神に与えたダメージはでかい。
「妖夢、今はそれどころじゃないわ。この状況をどうするか先に決めましょ?」
「ごめん、結界に集中しないといけないから、あんたたちで決めて」
「わかったわ……とにかく、まずはこの攻撃をやめさせましょう」
 霊夢が結界を張っている間は安全ではあるが、そのかわり攻撃を入れることができない。一瞬だけ結界を解いたとしても、高速で飛んでくる鉛玉を簡単によけられるのはスピードに慣れている文くらいだろう。
 なんとかして攻撃をやめさせればいいのだが、さらに問題になってくるのが幽々子の存在だ。本来なら彼女達の能力を使って簡単に止めることができるのだが、彼女がいる限り対策をしてこないはずがない。どうするべきか紫達は悩み始める。するとそんな彼女達を見ていた俊司は、なぜか自信ありげに話を始めた。
「……いや、やめさせる必要はないよ。銃撃は絶対にやむ」
「断言できるの?」
「ああ……この銃と違うならな……」
 俊司はそう言うと持っていたハンドガンを彼女達に見せた。みたところあいつらが使うような武器ではあるが、どうやら決定的な違いがあるらしい。
「その銃とあの銃になにか違いがあるんですか?」
 不思議そうに問いかけると、俊司は返事を返してから離しを続けた。
「弾だよ。この銃は弾がないって言ってたからさ。でも本物にはちゃんと弾があるんだ」
 彼の言うとおり、このハンドガンは河童の『河城 にとり』が改造を施しており、どういう仕組みになっているかは知らないが弾薬を必要としない。しかし本来の銃は各自適合した弾薬を使用しないといけない。さらにマガジンもあるわけでリロードを行わないといけない。その間は完全に隙ができるわけで、その瞬間に結界を解く事も出来るだろう。
 本来であれば誰かがリロードをしている間は誰かがカバーを行うのが理想だ。しかし目の前の敵は全員がカバーを考えずに攻撃を行っている。こうなればリロードの隙は完ぺきに出来るし、隠れる場所もないため攻撃を当てるのも容易になる。
「なるほどね……私たちにはわからないことだからね……」
「どうやらその考え当たってるみたいよ!」
 襲撃を行っていた兵士達は次々とリロードを行い始め、まるでガス欠を起こしたスポーツカーのように攻撃のスピードを落として行った。絶好の攻撃チャンスだ。
「よし!今のうちに!」
 霊夢は予定通り結界を解いて攻撃態勢に移ろうとする。ここまでは予定通りだ。
 だがこの時五人はまだ気づいていなかった。攻撃していたのは銃を持っていた敵だけだった事を。
「駄目だ! 結界を解くな!!」
「えっ」
 俊司の声に反応して霊夢は結界を解くのをやめる。彼の目に映っていたのは、不穏な動きを見せていたあの人物だった。
「油断大敵と
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