第35話「地球へ行こう」
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トは首を傾げた。スラクルは青筋を立てそうになるのを堪え、言葉を紡ぐ。
『ギルド長閣下は本当に、何もしないでください。二度目ですが、貴女は何もせず、ただ寝ててください』
そこまで言う?
スヴェートは内心でそう思ったが、口には出さなかった。何故かは分からないが、口に出しては駄目だと悟ったからだ。
『通信を終了します』
「うむ」
ホログラムが揺らぐや、スラクルの姿が消えた。それを見届けたスヴェート。
「…寝るとしよう」
ドーム状プロジェクターの電源をオフしたスヴェートは、席から立ち上がり寝室へと向かった。寝室に入った彼女は軍服からパジャマに着替えるや、一直線にベッドへ向かう。
「ふぅ…」
目を閉じ、何回か擦るスヴェート。
頭を枕に預け、ふかふかのベッドに身を沈め、部屋を照らす元気を消し、布団を肩まで被せた。
「………zzz」
スヴェートは、夢の世界へと旅立ったのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「全艦、発進せよ」
外交団艦隊を編成したスラクルは、キャプテン・シートに座るスヴェートを一瞥した。外交団艦隊は飛翔し、やがて宇宙空間へと飛び出した。
本星防衛艦隊と人工天体―――旧本部移動要塞の間を通過した外交団艦隊は、艦隊ワープの陣形を執った。
「艦隊ワープマデ、残り20秒」
ワープのカウントが続く中、旗艦は下部にある風防状の艦橋構造物をそのままに、その内側の艦橋が上昇し格納される。ワープの際、スヴェートは周囲を見回しながら自らを固定する席を握りしめる。スラクルもフックを握りしめる。
「3、2、1…艦隊ワープ開始」
青色の粒子が虚空を飛び散り艦隊が青の靄に包まれたかと思うと、その粒子の束は周辺の重力を捻じ曲げながら膨大な光を発した。
瞬時に膨張した光は広がる時と同じ勢いで収縮し、周辺の空間情報を上塗りしながら、外交団艦隊は瞬く間に宙域から姿を消していった。
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