暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
宇宙戦艦ヤマト2199編
第34話
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


 考えれば考えるだけ楽しい。集中力が最大限に引き出されているのが分かる。頭が指先が、この試合を楽しいと叫んでいる。

 しかし、始まりもあれば終わりもある。

 「チェックメイト」

 遂に、決着がついた。

 「負けたかぁ。我が娘スラクルよ、私は負けてしまった」

 「私の勝ちだ!」

 スヴェートは負けた。勝者はスノウだ。
 チェスが終わり、会話をし始めたスヴェートとスノウ。我が娘と呼ばれた黒髪赤眼の女性―――スラクルは微笑みながら見つめていた。

 十数分が経過し、会話が止んだ。こうして、ティータイムは終わりを迎えたのだった。


 〈スラクルSIDE(一人称視点)〉

 私―――スラクル・ブリリアンスは、普通の人間ではありません。それは才能という訳ではなく、この身が作られたという過程が普通の人間とは異なっているという意味です。

 遺伝子情報を人為的に書き換えたことにより、私は作られました。いわば、人造的に生み出された存在なのです。

 ギルド長閣下は私を「我が娘」と呼んでいるのは、彼女の遺伝子を受け継いでいるからでしょう。母と呼ぶべきでしょうが、自然と「ギルド長閣下」で定着しています。特に問題はありません。

 ギルド長閣下は、母と呼んで欲しいのしょうか。ディスコミュニケーションな彼女には、ギルド長閣下で充分かと思います。番号で名付けようようとしたあの人に、呼びかたを変える必要はないのす。ど、どうしてもというなら、母と呼んでも構いませんがね。

 ディスコミュニケーション。これはいただけないですね。リアルでもそうだったかは分かりませんが、リアルでもそうなのでしょう。私には分かります。

 だって、ですよ。
 本人は探査と星図作成を任せたつもりでも、ドロイドにお任せしたらアルポ銀河を征服してしまっているのです。もう、ギルド長閣下ったら♪…ではありません彼女はもう!…はぁ。

 クロイン人以下の異星勢力はブリリアンスの属国となりましたが、それは約70年前よりです。彼らの生活状況は良好。そもそも属国といっても、支配している訳ではないのです。ブリリアンスは属国を放任しているのですから。

 とはいえ、干渉しない訳ではありません。私は属国の管理を担当しています。属国の管理に関しては、ギルド長閣下から任されています。

 属国を管理する指針は、ただ一つ。
 ―――彼らの精神と生活状況を良好に維持する。

 それ以外にも、仕事はあります。その内の一つは、最重要な仕事であり義務でもあります。
 ディスコミュニケーションなギルド長閣下を、サポートせねばなりません。

 宰相の地位に就く私には、その義務があるのですから。まぁ、単に私がしたいだけなんですけどね。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ