暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第32話「私が何をしたというんだ!」
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ―――ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉。

 「ふふっ、無駄だ。その程度の火力で我が艦〈スラクル〉を倒せると思うなよ。我が艦〈スラクル〉は無敵なり!」

 「あ、いや、ギルド長閣下それは…」

 死亡フラグでは、と艦長代理が続けて言葉を紡ごうとした瞬間、報告が入る。

 「重力変動ヲ感知。方位〇〇〇、我ガ艦ノ正面デス」

 「……」

 その報告を耳にした艦長代理は、ギルド長スヴェートの言葉が死亡フラグであった事に改めて気づいた。スヴェートも気づいたのだろう。自分が死亡フラグを建築していたことに。

 「……」

 「……」

 まるで時が止まったかのように、静まり返る2人の女性。やがてスヴェートは、あらん限りの声量で叫んだ。

 「しまったァァァアアアー!?!?」

 叫ぶスヴェートに代わり、艦長代理は命じる。私も貴女のように叫びたい、と心の中で思いながら。

 「ブリリアンス・フィールド、正面に集中展開!」

 直後、空間の一画に時空の波紋が生まれた。

 「狼狽えるな!アクラメータ級改のフィールドならば!」

 「狼狽えている貴女に言われたくはないですね」

 波紋が中心に集中した刹那、その歪みから火焔直撃砲のエネルギーが飛び出す。

 「私が何をしたというんだ!」

 「……」

 飛び出した火焔直撃砲はアクラメータ級改〈スラクル〉に命中しフィールドを突破……することはなかった。轟音と共にフィールドに命中した火焔直撃砲はそのフィールドを突破することなく、周辺にそのエネルギーを舞い散らせた。

 「ふ、ふふっ、フィールドの前には無力!」

 「涙を拭きましょうか、ギルド長閣下」

 アクラメータ級改〈スラクル〉が火焔直撃砲を受け止めたという事実は、ガトランティス艦隊に驚天動地の動揺を与えたに違いない。

 「本艦ノフィールド、消失」

 その報告に、艦長代理は顔を顰めた。涙をハンカチで拭き取り、冷静を取り戻したスヴェートも顔を顰めた。耳が痛い報告だからだ。フィールドが消失したということは、ガトランティスの攻撃を対ビームコーティングされた装甲で受け止めなければならない。

 好機と見たのか、ガトランティス艦隊旗艦〈メガルーダ〉は〈スラクル〉へ五連装主砲を向ける。狙いを定めたのだ。敵旗艦〈メガルーダ〉は直掩部隊と共に、射程圏内に入る為に前進。

 しかし好機と見たのは、敵旗艦〈メガルーダ〉だけではない。

 「〈ヤマト〉、敵旗艦に発砲」

 〈ヤマト〉だ。〈ヤマト〉の第一主砲から発射された青白い三本のエネルギーは螺旋を描きながら、敵旗艦〈メガルーダ〉の左舷艦首に命中させることに成功。だが、艦首から煙を吐くものの重度のダメージを与
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ