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現実世界は理不尽に満ちている!
第25話後半「白銀の守護者」
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 「輝く光輪に入りて、手を携えよ。同じアケ―リアスの遺伝子を持つ、銀河の同胞よ。さすれば封印は解かれん―――星巡る方舟」
 
 壁や床が光り輝き、魔法陣のようなものが床に出現し、3つの輪が出現する。

 スヴェートは戸惑いながらも解析した。
 え、何、銀河の同胞?どいうことだ。つまり人類を含む全ての種族は、1つの種族―――アケ―リアスからということか?…えぇ、マジかよ。どうりで、クロインは人間と同じだったのか。実験しちゃったけど、宇宙人だしまぁイイか。

 スヴェートが戸惑っているのを知らず、古代とバーガーは頷き合っていた。2人の男は、3つの内2つの輪に入った。

 古代がレーレライに手を差し伸べた。紳士か。

 「君も」

 レーレライの顔に、数本の髪が垂れた。

 「安息の地を捨て旅立つなど、…我らには出来ない」

 そんなレーレライを、古代は彼女の手を暖かく包み込んだ。紳士だ。

 「希望を捨てず、明日を信じよう。滅びを待つ今日より、一歩を踏み出した明日がいい」

 バーガーは頷いた。穏やかな笑みを浮かべたと同時、少し照れくさそうに手を差し出した。

 「…我らの明日、か」

 2人の手を掴んだレーレライは、残り1つの輪に入った。彼女の手は、震えていた。人と手を繋ぐのが初めてなのだろう。彼女の顔は、微笑みの色だった。

 「我が名は、レーレライ・レール。残り少ないジレルの民。我らのことを、覚えておいて欲しい」

 テレパシーではなく、音で言葉を発したレーレライ。一筋の涙が、彼女の頬を伝った。
 桐生は柔らかな笑顔で3人を見つめた後、上を向いた。

 「星巡る方舟……永き眠りより、目覚めん」

 瞬間、3人の足元から光が溢れ出し、祝福するように周囲を回り始める。やがて、光は3人だけでなく全員を包み、心地良い鐘の音が響き渡る。

 「我らの起源……時は巡る……旅立ち……種の保存……再生……誕生……ヒトの形……」

 言い終えた瞬間、光は周囲へ一気に拡散していった。途端に力を失い気絶した桐生が床へ倒れる前に、沢村が支えた。

 この光景、幻想的だな。スヴェートは感嘆の息を漏らす。 
 周囲に散った光は、上空で二重螺旋となり竜のように空へと上がる。光は高く大きく広がり、爆発するように輝いた。

 あ、ヤバい。スヴェートは眩しさのあまり、目を閉じたと同時に、腕で閉じた目を守った。

 「…ん、これは……」

 再び目を開いた時、周囲にあったもの全てが黄昏のように消えていた。エントランスも骸骨もetc…。戦艦大和の甲板上に立っているようだ。全員が居ると思いきや、レーレライの姿だけがなかった。まぁ、レーレライは大丈夫だろう。

 目の前にはジャングルが広がっていたが
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