第24話「何故か一触即発なのだが」
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丞相閣下にご報告致しましょう」
命令上は仕方なくダガームの意に従っているが、メイスは彼が嫌いでしょうがなかった。元々は嫌いではなく、苦手の部類ではあったが、上官の度重なる暴言や暴行が不満を加速させ、つい先程は鬱憤晴らしといわんばかりに、顔面を殴り飛ばされたのだから溜まったもんじゃない。
それでもなお、部下としての面目は保っているのだ。感謝して欲しいくらいだった。
「ふん!報告など要らぬわ。これは儂の手柄、小娘に渡すかい」
ダガームはメイスの進言を一蹴する。
メイスの進言を一蹴した彼は、艦隊を三方に分けて惑星を包囲する旨を指令した。そして彼は、〈メガルーダ〉に装備されている【新兵器】の発射準備を命じた。【新兵器】の発射準備を命じた理由は、【テロンの艦】を炙り出す為である。惑星を包囲するべく、ガトランティス艦隊は行動を開始した。
「……」
進言を一蹴されてしまったメイスは、最後の手段に出ることを決意した。こうなれば、個別回線でサーベラーと連絡を取るしかない。内密に報告するのだ。【ヤマッテ】を炙り出す為とはいえ、【静謐の星】を【新兵器】で傷つけようとしているのだ。見向きもしない彼を尻目に、メイスは静かに艦橋から姿を消した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
―――旧日本海軍戦艦大和。
夕日が注がれる最中、艦橋を出た防空指揮所にて拳銃を向け合う2人の男が居る。拳銃を向け合っている2人の男の正体は、古代進とフォムト・バーガーだ。それを固唾を飲んで見つめる新見、相原、沢村、桐生、バーレン、メルヒ。観察するように見るネレディア。
誰にも知られることなく、スヴェートはフッと笑みを浮かべながら思う。…何故か一触即発なのだが、と。
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