暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第23話「諦めたらそこで試合終了だろうが!ってイイよな」
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いっぱい持ってくればよかったか。レーション・バーのみは駄目だったかぁ、内心にてスヴェートは反省した。

 「―――という方向性で、メルヒさんは10時より採掘作業をお願いしまs…」「うるせぇな!こんなの無駄、無駄なんだよ!穴なんか掘ったところでよ…っ、出られる訳がないんだ!俺達は此処で飢え死にするしかないねぇんだよ…っ!」「……っ!」

 掘り進めているトンネルの見取り図を確認しながら、今日の作業目標を提案する沢村青年はこんな状況下でも前向きだ。メルヒとは正反対で、諦めの色を露わにしている。メルヒが吠えたことで、ラウンジに緊張が走った。耳が痛いなぁ。

 「何を…何を勝手に諦めてんだよ!諦めたらそこで試合終了だろうが!」

 言ってやれ沢村青年。私は、内心でメルヒに諦めるなと言ってやるから。というか沢村青年の世代でも、試合終了という名言は未だあるとは……感激深い。

 「し、試合終了?言っている意味が分からねぇが、とにかく…」
 
 メルヒは続ける。試合終了という名言が知らないのは当然だろう、異星人だし。

 「やりたきゃなぁ、お前らザルツ人だけで勝手にやれよ!俺はもうやられねぇからな!」

 メルヒは投げ出した。吠えた彼だが、それがお腹を空くというのに。

 「諦めるな!」

 「!?」

 メルヒがビクッとなった。思わずビクッとなりそうだったスヴェート。

 「ガミラスの軍人は可能性を信じ、すべきことをし、最後まで諦めない。…いつもそう言ってきただろう」

 上官バーガーに論されたメルヒは、恥ずかしくなったのか立ち尽くす。

 立ち尽くしていた彼だったが、「自分は少佐を尊敬しています。ですが、こいつらザルツ人と一緒に居るのはもう御免です。失礼します」とガミラスの敬礼をした直後、足早にラウンジから去った。

 ラウンジから去ったメルヒを静かに見送っていたバーガーは、この場に集う全員へ謝罪した。

 「最後まで諦めない、か。良い言葉だな」

 古代はバーガーへと微笑むと、バーガーは照れた。確かに良い言葉だ、とスヴェートは頷いた。

 「これは俺の言葉じゃねぇよ。受け売りさ。尊敬する上官のな」

 「うちの艦長も同じことを言っていたよ。―――最後まで諦めるな!ってな」

 「ハハハ、おっかなそうな上官だな」

 「けど、凄い人さ」

 楽しそうに会話している古代とバーガー。

 「会ってみてぇな」

 「君の上官もね」

 「……」

 「?」

 バーガーが沈黙する。笑みを浮かべてはいるが、瞳は何処か寂しい。古代の「君の上官もね」を聞いていたバーレンは、つば付き帽子を目深に被っている。気の所為であれば良いのだがバーガーの沈黙により、穏やかであったラウンジ
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