第22話「【テロンの戦艦ヤマッテ】を追う艦隊」、「出撃する艦隊」
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―遮蔽の技術奪取に邁進せよ。要らぬ浅知恵を巡らせるでない」
「はっ、ははぁあ!申し訳ございません!」
「【帝星ガトランティス】を統べる偉大なる【大帝】陛下の御言葉をもう一度伝えてやる。帝国は覇道完遂の為、その技術を欲している。そなたが受けた命令は『【静謐の星】を発見』だ。余計なことはせず、任務遂行に邁進せよ」
「…御意」
完全に頭を収えられている帝星ガトランティス・グタバ方面大都督ダガームは、低頭平身するしかなかった。
「そなたが【静謐の星】を発見しえぬ時は、死を以ってその償いと為せ」
「…御意」
「吉報を待つ」
瞳を右へと寄せ顔を傾け、「お前には出来ぬかもしれぬがな」とでも言いたげな表情をダガームに向けながら、サーベラーのホログラムは陽炎のように消えていった。
「…っ」
それを見届けたダガーム。
「大帝の威を借る小娘が…っ!」
ダガームはプライドが高く、小馬鹿にされる事を最も嫌う。屈辱だ、小娘の分際で…っ。
しかし、彼にとっては屈辱であれど、航路担当オペレーターにとっては貴重な時間となった。航路担当オペレーターは報告する。
「大都督!【空間跳躍】の航跡、特定出来ました!」
「よし!」
航路担当オペレーターを睨みつけるダガームだが、瞳でよくやったと彼を褒めた直後、命令を発する。
「これより【ヤマッテ】を追う!」
ダガームはマントを翻し、キャプテンシートにどかりと座る。
その命令を聞いた副長【ボドム・メイス】は目が点となった。
副長のメイスもダガームには及ばないが、身体はよく鍛えられている。歳はダガームより下の37歳。頭はセンターだけを残して禿げ上がっている髪型と、口元から頬にかけて多くの髭が特徴だ。
殴られたのか、左目の辺りに青い痣が出来ていた。
そんな彼は今もダガームの左後ろで控えて立っていたが、ダガームの命令を聞いた瞬間、思わず目が点となってしまった。副長である彼は、心配する声音で意見する。
「しかし、丞相閣下の御言葉は…」
だが、ギロリと睨みつけメイスを圧した。
「構わぬ」
「な!?」
「儂は偉大なる【大帝】の臣下であって、小娘の小間使いではない」
鼻を鳴らし、唖然とするメイスを一瞥したダガームは、命令を発する。
「全艦、空間跳躍の陣を敷け!航跡データに従い直ぐに飛ぶのだ!」
直後、艦内には空間跳躍を知らせる警報が鳴り響き、全ガトランティス艦の後部ノズルが青白く輝く。勢いよく加速したガトランティス艦は、それぞれの前方に生成されたワームホールの中へと消えていった。
そして、この宙域は静寂の世界へと戻
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