暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第15話「此処は、何処だ…?」
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体を探る為に。

 「惑星ノ表面ヲ確認、現在ノ高度ハ4200m」

 「惑星、地表面ハ液体デ構成サレテイル模様」

 少しして、前方に巨大な物体が幾つも捉えられた。

 「スヴェート様、前方に浮遊スル物体ヲレーダーガ探知!」

 「……漆黒の十字架、か?それも一つではないな」

 浮遊物体は一つだけではなく、あちらこちらに存在していた。
 まるで巨大な墓標ようで、不気味さを放っていた。

 発見された物体の至近距離に接近するブリリアンス艦隊は、一つの浮遊物体の真横に付けるために減速を開始し、やがてピタリと寄せて完全に停止した。

 停止したと同時に、読めとばかりにサーチライトが漆黒の十字架を照らす。
 
 「ふむふむ、なるほど、地球の古代文字に似ているような文字がズラッと壁面にあると、…全く分からん」

 一拍置いたスヴェートは続ける。

 「どうやら、此処が終着駅らしい。しかし…」

 何者による外部からシステム乗っ取りだ。
 導かれたこの惑星に何があるというのか。いったい、何を目的としてここまで連れて来たのか、スヴェートには検討もつかないし、理解も出来ない。

 「航行システム以外は無事で、通信やレーダー類は今も問題なく機能」

 だがそれは、この空間限定ということ。
 つまり、艦隊は孤立しているということになる。本当、笑いたくなる程に運がない。

 スヴェートはメインモニターを注視する。
 停泊中の位置よりも下方では、稲光がチラホラと見え、何らかの液体で構成されている惑星表面があるぐらいで、それ以上のことは分からず、後は自力で調べるほかないように思われた。

 「仕方ない。直接、調べるとしよう。私自らな」
 
 今回ばかりは、自ら行くしかない。
 何者かは知らないが私を誘ったのだ、こうなれば出会うしかない。腹を括れ!…冒険したいからという気持ちがあるのは、内緒だ。

 「シャトルの準備だ」

 スヴェートは声高に言う。
 しかし、その言葉は自身に向けてでは無い。

 『ラジャ、ラジャー』

 「了解」
 
 自分の後ろで控えているBXコマンド・バトルドロイド数体と【1人の人間】に向けて、スヴェートは言ったのだ。
 
 十数分後、準備させていおいたシャトルにスヴェート達が乗り込んだ。
 彼女達を乗せたシャトルはハンガーベイから出て、下方にある惑星表面へ安全第一をモットーに降下を開始したのだった。
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