暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
シャンブロウ編
第14話「星々の海、私の好きな言葉です」
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部の何処かにあるって、本当にあやふやだ」
 
 艦長席に座る白髮オッドアイの女性スヴェートは、溜め息混じりに言い放った。

 「スノウの奴め」
 
 確かに、確かに自ら行くと承諾の意を示した。
 しかし、だ。なんだ?大マゼラン銀河外縁部の何処かにあるって…。

 艦隊は、伝説の惑星シャンブロウがあるとされる座標に向かっている。
 残り1回のワープで到着する予定だ。
 
 「私が居なくとも、アルポ銀河は大丈夫だろう」

 スヴェートは追憶する。

 アルポ銀河は安全だ。
 アルポ銀河に存在する敵対勢力はブリリアンスの属国となり、その後は不可侵条約を締結し、互いに干渉はしないと固く誓った。
 ブリリアンス艦隊は各地に点在し、外的勢力からの脅威に警戒する構えを常に行っている。今もなお戦力は生産中だ。

 だが、それは良い意味で杞憂なのかもしれない。

 「ブリリアンスは連邦に属しているし、加盟惑星でもあるんだ。安全は保証されている」

 加盟惑星は連邦庇護下であると声高に主張、誰にも冒されぬ聖域を形成し、平和を謳歌する。

 連邦についての詳細はあまり分かっていないが、連邦は莫大な軍事力と政治調整能力を持ち、巨大な軍事兵器を有していることを、スヴェートは知った。

 「何よりもスノウは幹部で、元とはいえ地球人。安全安心だ」

 スヴェートがスノウに関して知っている事は少ない。
 連邦幹部スノウは元の世界で事故で命を落とし、この現実世界に転生した人間であることぐらいだ。そして、親しい関係だとスヴェートは思っている。

 「そういえば、連邦って何とか連邦だった気がする。なんなら正義とかも、何とか正義だったような?」

 何だったか、う〜んと頭を使い思い出そうとするスヴェート。
 まぁ、気にするまではないか。
 そんな大したことではない、そう片付けた彼女は一つ、ふと思い出したことがある。

 「確か、魔女と呼ばれる宇宙人――ジレル人が実在するんだったか?」

 スノウから聞かされた、魔女ことジレル人。

 薄い灰色の肌、白銀または薄い灰色の髪の毛、尖ったエルフのような耳、身体には特殊な模様が特徴のジレル人。

 生まれながらにして特殊な能力を備え、人の心内を読むことが可能で、テレパシーによって脳内へ直接語りかけ、幻視によって人に幻覚を見せて惑わせる。

 「――魔女がその美しい唄声で船乗りを誘い、魂を貪り食う…だったか?」

 人の心を読めるなんて読心術みたいだなぁ、と付け加えたスヴェート。
 
 「そういえば、スノウはこんな事を言っていたな。―――『過去において、数えるのが馬鹿なぐらいの艦艇が消息を絶った宙域がある』…だったか?」

 スヴェートは、そんな宙域があ
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