第9話「隣星系に攻め込む作戦完了後」
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―――隣星系に攻め込む作戦完了。
ピロンっという通知音が浴室に響き渡る。
「…ん?」
タブレット端末に届いたその通知を観たギルド長は、フっと笑みを浮かべた。
「これで、安全は確保された」
ギルド長は、作戦を思い返す。
隣星系に攻め込む作戦は、何も攻め込むだけではない。
我が領域とする為だ。
我が領域とする理由は、勿論ある。
このサニー星系の安全の為にも、隣星系からやって来るクロインに脅かされない為に、この作戦は絶対に遂行しなければならなかった。
余談だが、サニー星系というのは転移した星系の名称。
名称は私が名付けた。…一々、太陽系太陽系と言わない為に。
ゴホンっ、さて。
「作戦は成功」
駐留していたクロイン戦闘艦はデルタ艦隊により無力化。
地上戦力を積載している着陸船は地上戦力を展開し、軍事拠点を包囲しつつ、内部も制圧。
「素晴らしいな。これで安全は確保されたも同然」
笑みをより強く浮かべるギルド長。
しかし彼女の瞳は、余裕・油断といったのは一切無い。
「クロインの軍事拠点は確かに制圧し、駐留していた艦隊を無力化した。…しかし」
懸念している事は一つ。
クロインの”根”は隣星系ではなく別ではないのか、について。
そもそもワープ航行を確立している時点で、一つの星系で満足するとは思えない。
宇宙に進出する事が可能な時点で、他の星を他の星系を支配するという欲望が、限界にまで高まり、やがては支配するに至る。
無論、この思考は人類のメンタリティと同一である前提だ。
まぁ私が知っているその人類はそもそもワープなんぞ無理だ、開発すら無いしな。
だがもしも、その前提が正解であるならば…。
「な〜にが”安全は確保された”、だ!…はぁ〜、これがリアルか」
なんていったて、宇宙は広い。
太陽系のみが人類の領域であれど、太陽系なんぞ、めっちゃある星系の内の一つだ。
宇宙人はクロインのみと決めつけては絶対駄目だ。
クロイン以外の勢力なんぞ、沢山存在しているのは考えるまでもない。
「征服欲溢れる宇宙人共が群雄割拠する宇宙、か」
ますます地球が恋しくなるし、ますます地球の事が心配になってくる。
「現代兵器vsクロイン。…いや、戦いにすらならない」
はぁ〜、とギルド長はデカい溜め息を吐いた。
軌道上から艦砲射撃ないしは爆撃されたら、絶対に人類は詰む。
ギルド長は浴槽の壁に、背中を深く預けた。
「軍拡に力を入れないとな、それも最優先で」
ギルド長は、改めて今後について練り始める。
先ず現状の主力戦
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