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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
五話 少年の心
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憎らしく思ってました……時々、ヴィヴィオや、なのはさんの笑顔を見てると、思うんです……この人達は、あの時の事を綺麗さっぱり忘れてるんじゃないのか……あの日母さんが死んだ事を、もう忘れてるんじゃないのかって……そんなわけ無い。そう分かってるのに、心のどこかで、そう感じてる自分が居る……そうしてその後決まって、こう思うんですよ……こんな笑顔、壊れてしまえば良いのに……って」
「……!」
小さく笑って言ったクラナの言葉は、とても冗談や遊びで言って居るような言葉ではなかった。ただ、身を切るような冷たさだけがその言葉にはあった。

「このままじゃ、いつか俺はヴィヴィオを……あの人達を傷付ける。だから……俺はヴィヴィオやなのはさん達をなるべく避けたんです……」
最後は、また呟くような小さな言葉だった。そうして、少しの沈黙が落ちる。

「…………」
「……でもよ」
それを、ノーヴェの方から斬った。

「お前だって本当は……ヴィヴィオ達と笑いあってたいんだろう?」
「…………」
クラナは黙って居たが、しかししっかりと頷いた。

「あの人達は……俺に取っては本当に、大切な人達です……だからこそ、絶対にあの笑顔を壊したくなんか無い……でも……」
そう思いながら、それとは全く真逆の事を考えている自分が居る。

「あはは……どうすりゃ良いんでしょうね……」
再び、自嘲気味にクラナは笑った。
対しノーヴェは、余りにも根の深い話に、ただ唇をかむことしか出来なかった。

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