第五話
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文』と言って、身につけている物から想像がつくように天狗の少女だ。天狗と言っても種類は多く、彼女の場合は烏天狗の分類に当たる。烏天狗とは言えどなぜか背中に羽が生えていなかったり生えていたりとかなり謎の子でもあるのだが……。普段はぶら下げているカメラといつも持っている手帳を使ってそこら辺を取材しに出向いており、それをもとに新聞を作り上げる新聞記者の仕事をしている。
「あんたが勝手に驚いてるだけでしょ……それで?何か変わったことは?」
「特にないですよ」
文がそう言うと霊夢はなぜか残念そうな顔をした。
「そう……ここんとこずっとこんな感じね」
なぜか不満そうにしゃべる霊夢。文は霊夢の心境が把握できているのか苦笑いをしていた。
「紫がいなくなってからすぐは何度も攻めてきてたくせに……最近はまったくじゃない」
「別にいいじゃないですか〜。その分私たちも休めるんですから」
二ヶ月ほど前はこの場所には文と霊夢を含めた四人の人物が人を構えていた。このようなひらけた場所に集まるのはかなり危険なのだが、どこも革命軍に占領され仕方なく集まったのだ。その頃は四人の中に紫も存在しており、全員で力を合わせて革命軍の攻撃を防いでいた。
しかしそこから一ヶ月ほどした後、紫は何の連絡もなく急にいなくなってしまったのだ。それだけならいつものことだと思い気にはしていなかったのだが、一週間二週間となるにつれて徐々に不安が高まり彼女達の士気は低下していった。そんな中革命軍は無情にも攻撃を仕掛けてくる。霊夢達は残った三人で何とか革命軍の攻撃を防いでいた。
それから数日間は革命軍の攻撃もなくつかの間の休息をとっていたのだが、なぜか霊夢だけは攻撃してこない彼らにイライラしていたのだ。
「それが思うつぼでしょ? あいつらはわざと油断させようとしてるんだわ」
「あはは……」
機嫌が悪いままの彼女に文はひたすら苦笑いを返すしかなった。
「それに今ここにいるのは、天狗娘と博麗の巫女と半人半霊の三人だけ。いつ攻め込まれてもおかしくないわ」
「霊夢さんの言うとおりですよ」
そんな会話をしていると霊夢の背後からある少女が声をかけてきた。外の世界では珍しい白髪をしており、彼女の周りにはまるで魂のような半透明の物体がふよふよと浮かんでいた。
「あれ? 妖夢、山の中に偵察に行ってたんじゃないの?」
妖夢と呼ばれた少女はほんの数分前山の奥から銃声が聞こえたと言って偵察にむかったばかりだった。しかし彼女は静かに顔を横にふると軽く溜息をつく。
「特になにも見当たりませんでしたので帰ってきただけです。ところでさっきの話は……」
「別に、そこまで大した話じゃないわよ。ただ、今後どうするかの話」
「そうですか……」
妖夢はなぜか残念そうな顔をしていた。
彼女はフルネーム
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