第五話
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子をしていた。
「またか……別にその呼び方ではなくてもいいだろう」
「いえ。規律は守らないといけませんから」
どうやら彼女と上条は何かしら関係があるみたいだ。しかし女性兵士は当然のように言いながら背筋を伸ばしきっちりとした姿勢を崩そうとはしない。
「はぁ……用件は?」
上条がそう尋ねると、女性兵士は持っていた一枚の紙を手渡した。そこにはさっき上条が連絡を取っていた相手の名前と作戦の内容が記入されていた。
「さきほどの永遠亭にたいする強襲作戦についてお話したいことがあると、作戦ルームにて三島隊長がお待ちです」
上条は内容を要点ごとに確認し二・三言呟くと、紙を折りたたんで懐にしまった。
「わかった。あと、永遠亭の強襲にはお前も参加してもらぞ」
「はい!」
元気に返事を返す彼女を見て一瞬表情が柔らかくなる上条。しかしすぐに上官らしい表情に戻すと、初めて彼女の名前を言った。
「よろしく頼むぞ……上条由莉香少尉」
そう言われた瞬間女性兵士はまた返事を返す。俊司の知らない場所で新たな歯車が回り始めていた。
革命軍が新たに行動を始めようとしていたころ、幻想郷にある妖怪の山と言う場所である女性が辺りを見渡しながら歩いていた。周囲に木々はなくぽっかりと空いたこの場所は、そよ風が心地よくピクニックで訪れるような静かな場所だ。
歩いている女性は黒髪のショートへ―アーで短めのスカートをはいている。ここまでは普通の人間と変わりないのだが、頭に載せている物とはいている靴が少しおかしい。まるで妖怪の天狗が身につけているような物だ。
「今日も異常なしっと。ここ最近は平和ですねぇ」
少女は気持ちよさそうに大きく背伸びをする。それに合わせるかのようにそよ風がフワッと吹き始めた。
「心地よい風ですねぇ……よっと」
少女は首からぶら下げていたカメラをかまえると、シャッターチャンスを狙おうとカメラを覗き始める。しかし一分もたたないうちに覗くのをやめると、なぜか不満そうな顔をしていた。
「う〜ん……やっぱスクープ的なものがないと物足りないですねぇ……」
「何がスクープよ文」
「うひゃあ!」
不意に声をかけられ驚く女性。その背後には少し変わったデザインをした紅白の巫女服を着た少女が呆れた顔をして立っていた。頭には大きなリボンを身につけている。
「なんだ霊夢さんですか……脅かさないでくださいよぉ」
巫女服を着た少女は『博麗 霊夢』と言い、この幻想郷を外の世界から隔離している博麗の大結界を管理している巫女だ。人間ながらも強力な力を持っており、普段は神社でのんびりと過ごしながら幻想郷で起こった異変を解決も行っている。あまりまじめではないのだが、やる時はきちんとこなすタイプの人間だ。
ちなみに先ほど文と呼ばれた女性は『射命丸
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