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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第五幕その十

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「お二人は」
「言われてみるとね」
「その違いがあるね」
「日本ではどっちも同じキリスト教で」
「違いは意識されないけれど」
「これが違うからね」
「そう、全くと言っていい位ね」
 そこまでというのです。
「違うね」
「そうだよね」
「カトリックとプロテスタントは」
「また違うよね」
「どちらの宗派も」
「これがね」
「例えば僕達は国教会で」
 イギリス国教会でというのです。
「結婚相手もね」
「同じだよね」
「同じ国教会でないとね」
「昔は絶対に駄目で」
「今も意識されるね」
「そして欧州全体がそうなんだよね」
「アメリカでもそうしたお話があるし」
「そう、アメリカでもね」 
 この国でもというのです。
「宗派の違いで結婚出来ないってね」
「あったしね」
「今もあるね」
「その辺り日本では意識されないけれど」
「然程ね」
「ジェームス=ディーンさんもね」
 この伝説の映画スターもというのです。
「好きな人と別れたのは」
「ああ、宗派の違いだね」
「それでなんだ」
「そういえばあの人心から好きな人がいたそうだね」
「それでも別れたっていうけれど」
「この人もだよ」
 ジェームス=ディーンさんもというのです。
「それで別れざるを得なかったそうだから」
「あの人はね」
「若くして亡くなったけれど」
「不幸な交通事故で」
「そうしたお話もあったんだね」
「あの人にも」
「日本のいいところの一つは宗派の違いでね」 
 それでというのです。
「結婚を反対されることがほぼないことだよ」
「そうだね」
「宗教的な寛容さもいいところよ」
「日本は」
「神仏を共に敬う」
「そうしたものだけれど」
「それでも他の国特に欧州は違うから」
 この地域はというのです。
「今もね」
「やっぱりね」
「宗派の違いがあるね」
「どうしても」
「特にカトリックとプロテスタント」
「その違いがあるね」
「前にハプスブルク家のことをお話したけれど」
 薔薇の騎士そしてマリー=アントワネットさんのことからです。
「この家はカトリックだったね」
「神聖ローマ帝国はカトリックの国で」
「その皇室のハプスブルク家もそうね」
「カトリックの守護者だったね」
「あの国は」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
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