第五幕その七
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「咲くのがね」
「桜だよね」
「奇麗だけれどね」
「長く咲いてくれないね」
「そこが残念といえば残念だね」
「けれどね」
それでもというのでした。
「桜はそうであるからこそいいね」
「そうだね」
「少しの間だけ咲き誇る」
「そして潔く散る」
「それからまた次の年に咲く」
「そうしたお花だからね」
「それ故にいいんだ、それでね」
先生はさらに言いました。
「僕も日本に来て日本人になって」
「それでだよね」
「桜が大好きになったね」
「第一のお花に思える様になったね」
「そうなったね」
「そうなったよ」
まさにというのです。
「僕もね、薔薇も大好きでね」
「桜もだよね」
「あのお花も大好きだよね」
「先生は」
「もっと言えばお花は全て好きだけれど」
それと共にというのです。
「薔薇それに桜はね」
「特にだね」
「先生お好きだね」
「この二つのお花が」
「そうだよ、そしてね」
それにというのです。
「これから薔薇の歌劇について学んでいくよ」
「薔薇の騎士を」
「そうするね」
「これから」
「うん、そうするよ」
こう言ってでした。
先生は本を読みはじめました、そして学問に励みました。その後で先生は日笠さんが研究室に来た時にこんなことを言われました。
「実は相談を受けていまして」
「相談ですか」
「はい、ドイツからこちらに来て働いている人がです」
動物園でというのです。
「この度結婚されまして」
「それはいいことですね」
「それで結婚される方に指輪と」
結婚指輪と、というのです。
「もう一つプレゼントしたいと言われていまして」
「そうなのですね」
「それで、です」
先生にさらにお話します。
「何がいいかと相談されまして」
「僕にですね」
「そうです、私もお話を聞いてどうしたものかと」
その様にというのです。
「なっていまして」
「僕のところに来られたのですね」
「今すぐのお話ではないですが」
それでもというのです。
「これからです」
「僕にもですね」
「相談に乗って欲しいですか」
「その様にです」
まさにというのです。
「お願い出来ますか」
「僕でよければ」
微笑んで、です。先生は日笠さんに答えました。
「何時でもお話して下さい」
「それでは」
「その人とです」
ドイツから来た人と、というのです。
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