第四話
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とは……)
俊司が目を閉じると同時に、正常に戻っていた思考がうなりをあげて動き始める。動かないもの・光る何か・不可解な文字。それぞれのパズルピースを組み合わせ納得のいく結論を考えていく。
そして結論が浮かび上がった時、俊司はまた無意識に笑みをこぼしていた。
「あのおっさんの声って……こういうことだったのか……」
ぼそっと呟いた俊司はすべてを悟ったような顔をすると、光のある場所へ体を重ねるように立つ。そのままポケットに突っこんでいたあの武器を静かに引き抜いた。
「ほんと…あの人の勘ってなんだろうな…俺にもできることが…あったんだもんな」
右手に握ったハンドガンを見ながらぼそりと呟く。やがてフゥと息を吐いた少年は、目の前にいる誰かの腹部に向けてその銃口を向け始めた。
(これが……運命なら……やるしかない。夢だろうが……一歩進まないとその続きは見れない)
なぜか震える右手を左手でしずかに支えながら決断を下し始める俊司。その目はまるで何かを決意したかのように、まっすぐ何かを見つめていた。
(やってやるさ……どうなってもやりきってみせる! あいつとの……由莉香との約束だ……!)
慎重に狙いを定め引き金に指をかける。その後二度目の乾いた発砲音が森の中を駆け巡り、止まっていた歯車は動きだした。
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