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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueU魔導騎士? その称号は私のではなくbyオーディン
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う。あの子たちの父としての責任。未だに終わらないヴァナヘイムとの因縁を、アースガルドの人間として終わらせるための義務を理由としているのだから。

?―?―?―?回想終わりだ?―?―?―?

案内された玉座の間は六角柱状で、上座には段差が在り、その段上に背もたれの高い肘掛椅子が3つ。王と王妃と王子が座するためのものだ。
右の玉座には初めて見るが王妃、左にはクラウス、中央にデトレフ陛下が座っていた。入り口から玉座までには金糸の刺繍が美しいレッドカーペットが敷かれている。その両側に整列したシュトゥラの近衛騎士団。

「此度、イリュリアとの戦争において大きな功績を上げたグラオベン・オルデンと、その誕生のきっかけを作りしエリーゼ・フォン・シュテルンベルク男爵。彼らの功績を称え、シュトゥラ勲章を授与する! 皆、盛大な拍手を!」

クラウスが玉座より立ち上ってそう言うと、割れんばかりの拍手が両側に居る騎士たち、そしてクラウスと王妃からも贈られる。アギトとアイリが「おお!」と耳を塞ぐが、煩わしそうではなく喜色満面だ。私とエリーゼを先頭に二列縦隊で玉座の段前まで向かい、着いたところで横一列に並んで片膝をついて礼の姿勢を取る。

「グラオベン・オルデン団長、オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード」

「はいっ!」

クラウスに呼ばれて立ち上り、段上に立つデトレフ陛下の前に行く。陛下は、隣に立つクラウスが持っている50cm四方の薄い箱の上よりあるモノを取った。それはマルタ十字(4つのV字の底部を結合させた形)に赤いリボンを付けた十字勲章だ。陛下は「有言実行。期待以上の働きであった」というお褒めの言葉と共に、

「そなたには勲章と共に、魔導騎士の称号を授ける」

聞き覚えのある称号を授け、私の正装(白色に変更した戦闘甲冑だが)の右胸に十字勲章を付けた。称号を授かるとは聞いていなかった上に称号名にも驚いた事で呆けそうになったが、「ありがとうございます」なんとか一礼をする事が出来た。
魔導騎士。はやてが持つ、二つ名のようなものだ。ミッドとベルカの魔導を扱う騎士であるはやてに相応しい二つ名。まさか私がその二つ名を貰う事になるとは。遥か未来、今の私が得た魔導騎士の二つ名を、私と同じように得る事になるはやてはどう思うか。それが少しばかり楽しみだったりする。

「シグナム・フォン・セインテスト」

「はい!」

元の位置へと戻ると同時に騎士甲冑姿のシグナムが呼ばれ、私と同じように十字勲章を上着の右胸に付けられた。唯一違うのは、陛下からではなく王妃の手によって付けられたと言う事だ。さすがに男である陛下が、女であるシグナムの胸付近に手を伸ばすのは憚れるというわけで、王妃が勲章授与に名乗り出た。

「ヴィータ・フォン・セインテスト
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