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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueU魔導騎士? その称号は私のではなくbyオーディン
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士ではない・・・おそらく。

「(エグリゴリの誰かが自分たちの足跡を潰したか・・・)おい。大丈夫か?」

へたり込んだ男の肩に手を置き、気遣いの言葉を掛ける。ゆっくりと振り返った男は泣いていた。元気を出すようにポンポンと肩を叩く。男はまさか私がそんな優しさを見せるとは思っていなかったようで、目を点にして私の顔を見る。
そんな私の気遣いに対して「ありがとう」と礼を言った。私は一度頷き、「へぶっ!?」ソイツの顔面を殴り飛ばしてやった。上半身だけを起こして鼻血の垂れる鼻を押さえながら「どうして・・!?」と混乱している男に、

「お前が融合騎の開発者なのだろ? 私はアギトとアイリ――お前たちの言う六番騎ゼクスと七番騎ズィーベンの家族だ。私の可愛い家族を生んでくれた事には感謝しよう。が、それからの苦痛を与え続けた日々には復讐をと思ってな」

顔を引きつらせ蒼白になる男へと一歩一歩と近づいて行く。男は腰が抜けたのか立てず、「助けてくれ!」座ったまま後退していく。私はその男の胸を踏みつけて仰向けに倒れさす。そして“エヴェストルム”を振り上げ、「殺さないでくれぇぇぇぇええええええッ!!!」その悲鳴を無視して振り下ろす。

「・・・・ま、こんなものだろ」

男の顔の横ギリギリに突き刺した“エヴェストルム”を待機形態の指環に戻す。男は恐怖のあまりに意識を手放していた。殺さないさ。ただ少しばかり灸を据えてやっただけだ。踵を返し、上階へと向かう。地下から地上へと上がると、城内はすでにシュトゥラのみならず他の同盟国の騎士団が居座っていた。
そんな彼らを余所にクラウス達に合流しようと廊下を歩いている時、

「騎士オーディン。我らガレアの代表がお会いしたいとの事です。御同行願えますか?」

ガレアの騎士数人に道を塞がれた。代表と言えば、イクスヴェリアとヴィンツェンツ王子だったな。どの道、あとで一堂に会する予定だ。話ならその時でもいいだろうに。だがイクスヴェリアの顔を思い出すと、「判った。案内してくれ」そう思えてしまう。
ガレア騎士たちに礼を言われ、イクスヴェリアの元へと案内された。案内された部屋の中に居たのは、変身の魔導を使っていない事で本来の姿のままのイクスヴェリアひとりだけだった。椅子に座っていた彼女は立ち上り、スカートの裾を僅かに摘み上げて一礼。チェス盤の置かれたテーブルを挟んでの椅子に座るよう勧められた事で腰掛け、本題へと入る。

「まずは呼びつけてしまった事、申し訳ありませんでした、騎士オーディン」

「いえ、構いません。フィロメーラ王女、それで私に何か用が?」

イクスヴェリアが名乗った偽名フィロメーラと言うと、彼女は少しばかり顔を曇らせたが、しかしすぐに凛とした表情へと戻した。

「一番にお礼を申し上げたくて。ガレアを、
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