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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第五幕その六

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「日本人だとね」
「まあ桜だね」
「多くの人が桜選ぶわね」
「日本人だと」
「薔薇とどちらかというと」
「そこまで桜は強いよ」
 日本ではです。
「もう桜を観ないとね」
「春じゃない」
「お花見っていうと桜だし」
「他のお花も愛されているけれど」
「絶対に桜の方が上だしね」
「日本はね」
「薔薇も人気があるけれど」
 日本ではです。
「けれどね」
「やっぱりね」
「桜には負けるね」
「日本人の中で桜の存在は大きいから」
「まさに日本そのもので」
「日本のお花よ」
「僕もね」
 先生ご自身もというのです。
「日本に来て国籍も日本になって」
「物凄く日本に親しんで」
「日本が心から好きになってね」
「お花もだよね」
「日本のものになったね」
「そうなったからね」
 だからだというのです。
「薔薇は好きなままだけれど」
「桜も好きになってきたね」
「それもかなり」
「そうだね」
「そうなっているよ」
 実際にというのです。
「桜もね」
「もう日本にいたらね」
「それこそだよね」
「春になるといつも桜見て」
「意識するしね」
「桜のない春はね」
 それはといいますと。
「日本ではね」
「考えられないよね」
「とても」
「それこそね」
「うん、僕もね」
 先生もそれこそと言います。
「桜がないとね」
「春じゃないよね」
「新年度って感じがしないよね」
「どうしても」
「そうだよね」
「そうなっているよ、イギリスにいる時は」 
 その時のことを思い出してお話しました。
「日本にいる今程はね」
「桜意識しなかったよね」
「見て奇麗だって思う位で」
「桜がないと、とはならなかったね」
「欠かせないとは」
「そうだよ、とてもだよ」
 それこそというのだ。
「思わなかったよ」
「日本はもう桜だからね」
「お花といえば何といっても」
「それこそね」
「特に春は」
「春先に咲いて」
 そしてというのだ。
「あっという間に散るね」
「そうなんだよね、桜って」
「咲きはじめて満開になって」
「そこから散る」
「儚いけれど奇麗に」
「淡い桃色の花びらがね」
「そうだね、少しだけね」
 ほんのというのです。
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