第一部
第一話
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記憶の中を探りながら彼女の服を見ていく。
女性の服装は全体的に紫と白を基調としており、頭には白く変な帽子をかぶっている。そして手にはなんの変哲もない日傘が握られていた。正直見覚えがあるわけがない。そう思うはずだった。
「……!?」
ある記憶にぶち当たった瞬間、俊司の思考はまた音をたてて途切れた。別に普段外に出ている時の記憶の中にあったわけではない。彼がたどりついていたのは、ある画面に映った一人のキャラクターの記憶だった。
「あら、なにか思い当たったのかしら?」
「……いや、どうせコスプレかなにかだろ?」
一瞬おどろいた表情を見せた俊司だったが、非常識な事があるわけないと変な考えを振りほどき、もっともらしい事を口にする。それを聞いた女性は少しこまった表情を見せていた。どことなくやっぱりかと言いたいみたいだった。
少し間がひらきお互い出方をうかがい始める。少し何かを考えるそぶりを見せた後、女性は何かいい案を思いついたのか、変な笑みを浮かべながら口を開いた。
「そうね……じゃあどうやったら私を『八雲 紫』と認めてくれるのかしら?」
そう言うと女性は再び笑みを見せながら、俊司をじっと見つめていた。
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