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第二章

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「やっぱり」
「もうそれはあそこの常としてね」
 そう考えてとだ、杏奈は答えた。
「それでね」
「行くことね」
「そういうことでね」
 そう考えてというのだ。
「行きましょう」
「それじゃあね」 
 美嘉は微笑んで頷いた、そうしてだった。
 二人でその八条百貨店に入ってエレベーターで屋上まで行った、すると実際に人が多かった。小学生から大学生それに保護者までだ。
 大勢の人がいてゲームに興じて軽食を食べていた、アーケードで覆われた中でそうして遊んでいたが。
 その中でだ、美嘉は音楽お金を入れると一曲かかるそのコーナーを見て今も隣にいる杏奈に対して言った。
「一曲聴きたくなったわ」
「あそこ一曲十円でね」
「色々な曲聴けるのよね」
「昭和の頃からあるのよね」
「そうみたいね、昔は百円だったのが」
 それで一曲だったのがというのだ。
「五十円になって」
「今は十円ね」
「サービスでね、その十円でね」
「一曲聴けるわね」
「カラオケにある様な曲ならね」 
 それこそというのだ。
「何でもね」
「十円入れて数字入力したら」
「聴けるし実は聴きたい曲あるし」
「誰の何て曲?」
「クイーンよ」
 美嘉は微笑んで答えた。
「あのグループの曲でお気に入りの曲が出来たのよ」
「フレディ=マーキュリーの」
「そう、やっぱりね」
 美嘉は杏奈に微笑んだまま答えた。
「フレディはいいわ」
「あの人の曲そんなにいいのね」
「ええ、だから試しにね」
 それでというのだ。
「杏奈も聴く?」
「私はクラリスだけれど」
「アニソンね」
「クラリスの新曲をね」
 その曲をというのだ。
「聴きたいけれど」
「じゃああんたも十円入れて」
「聴くわ」
「クイーンとクラリスね」
 この組み合わせを聞いてだ、美嘉は微妙な顔になって杏奈に言った。
「またそれはね」
「微妙な組み合わせね」
「ジャンルが全然違うからね」
 それぞれというのだ。
「だからね」
「そうね」
 杏奈も否定しなかった。
「言われてみれば。けれど私クイーン嫌いじゃないし」
「私もクラリス嫌いじゃないわ」
「じゃあお互いいいってことで」
「一緒に聴きましょう」
「そうしましょう」
 二人でにこやかに話してそれぞれ一曲ずつ聴くことにした、そうして音楽のコーナーに行ってどちらの曲を先に聴くかジャンケンをして決めた、すると。
 最初はクイーン次はクラリスになってそれぞれ聴いた、二人は聴き終わった後満足した顔になって話した。
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