第三章
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「この世界を裏から支配するディープステートと戦っているか」
「私利私欲塗れで恥も外聞もなく嘘吐きで被害者意識丸出しの人間が」
「言うまでもないね」
「そんな筈がありません」
若い学者は断言した。
「そんな能力はとてもありません」
「そう、自分の欲望のみをだよ」
「貪っているだけですね」
「そうだよ、そんな人間だから」
それ故にというのだ。
「戦っていないしそして」
「ディープステート、世界を裏から支配する」
「そんなものもね」
「ないですね」
「あの程度の輩が誰と戦えるか、そしてそんな組織があるなら」
「喚いている時点で」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「消しているよ」
「自分達の存在を言っているなら」
「それだけでね、あんな程度の輩が戦う組織は」
「ないですね」
「戦うどころか」
そもそもというのだ。
「貪るだけだよ」
「欲望を」
「お金に女性に権力を」
「それだけだよ、そしてそうしたことがわからないなら」
オルコットはこれ以上はないまでに醒めた軽蔑しきった顔と目で述べた。
「もうこれ以上はないまでにね」
「愚かですね」
「そうだよ、やがて彼の裁判の一つに判決が出るけれど」
「そこで、ですね」
「わかる人はわかるよ」
「彼がどういった輩かはっきりしたことが」
「わかるよ、それがわからない人は」
醒めた軽蔑しきった目のまま語った。
「詐欺師にもだよ」
「簡単に騙されますね」
「詐欺師は騙すのが仕事で」
そうして金を巻き上げるというのだ。
「騙せる人を探しているから」
「あんな人を信じる人はですね」
「どうなるかね」
それこそというのだ。
「言うまでもないね」
「その通りですね」
「そう、もうね」
それこそというのだ。
「我が国でこれからかなり詐欺事件が起こるよ」
「数も規模も大きな」
「そして社会問題になるよ」
オルコットはその目のまま言い切った、そしてだった。
裁判の結果が出て大統領選挙は彼等の予想通りとなった、その後嘘を言い募ったうえでの暴動が起こったが即座に鎮圧され。
逮捕者が出た、だがその暫く後でだった。
数多くの詐欺事件が起こった、大規模なものも多かった。端から見れば何故騙されるという話ばかりだったが実に多くの者が騙されてだった。
深刻な社会問題になった、オルコットも若い学者も映像の中で喚く被害者達を観てあの時のオルコットと同じ目で語った。
「これこそディープステートかな」
「どうでしょうかね」
「迂闊に陰謀論を信じる人の頭はどうか」
「実によくわかりますね」
「騙されない為にはだよ」
「ちゃんとわかることですね」
「さもないとこうなるよ」
こう言うのだった、そして彼等はそれからも
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