第一章
[2]次話
黒幕
とある国のとある大統領候補についてだ、彼を熱狂的に支持する宗教家ビッグ=ロー胡散臭いことで知られる小さな目と黒髪のアジア系に見えるが実はドイツ系の彼が言った。本名はアドルフ=キュルテンという。
「あの人は戦っているんだ」
「何と戦っているんですか?」
「ディープステートとだよ」
こう言うのだった。
「この世界を裏から操る勢力と」
「ディープステートですか」
「そう、今の与党もその一派であって」
ディープステートとのというのだ。
「多くの国の権力者がだよ」
「ディープステートの一派ですか」
「様々な力のある組織がそうで」
そうしてというのだ。
「世界を裏から支配して」
「自分達の思い通りにですか」
「やっているんだよ」
彼は信者達に話した。
「実は」
「そしてそのディープステートとですね」
「彼は戦っていて」
そうであってというのだ。
「そしてだよ」
「この世界をですね」
「裏から操る勢力から解放しようとしているんだ」
「凄い人ですね」
「だからだよ」
熱い声で語った。
「彼を支持するんだ、いいね」
「そうします」
彼の信者達は頷きローの言う通りに支持することにした、そしてだった。
ディープステートのことをネットを中心に喧伝した、だが。
アメリカのとある名門と呼ばれる大学で政治学の教鞭を執っているヘンリー=オルコット眼鏡をかけ痩せた顔で灰色の目を持つ神の毛が一本もない長身の彼は醒めた目で言い切った。
「そんなものはないよ」
「ディープステートはですか」
「確信を以て言えるよ」
自身の研究室で若い学者に政治学者として話した。
「ないよ、それは彼を見ればそれでわかるよ」
「ロー氏をですか?」
「彼もだけれど」
それ以上にというのだった。
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